review

book

鏑木毅, トレイルランニング

あの鏑木毅によるトレイルランニングの入門書。トレイルランニング初心者向けで、装備やトレーニング、フォームなど、ひと通りがカバーされている。写真も豊富で非常にわかりやすい。体の使い方やトレーニングメニューは、さすが陸上競技出身者といったところ。登山出身者による本とはやはり一味違う。逆に遭難対策や山のマナーに関する記述はかなりあっさり。これからトレイルランニングを始めようという人には自信を持ってお勧めできる。既に本格的に競技に取り組んでいる人には少々物足りないかも知れないが、基本...
comic

井上純一(著), 矢澤真人(監修), 月とにほんご 中国嫁日本語学校日記

中国嫁日記の番外編。日本語ネタ本としては中途半端だが、相変わらずマンガとしては文句なしに面白い。
book

福島文二郎, 9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方

ディズニーランドの良いところだけを書いた精神論本。読者が一番知りたい、なぜディズニーランドではこれが実践できているのに他の多くの企業ではできていないのか、はまったく書かれていない。また、期待していたディズニーの裏話もほとんどなし。
comic

こうの史代, 街角花だより

表題作は新作の日和版と初連載作品である明石版の両方を収録。代表作となってしまった "夕凪の街 桜の国" とは毛色が違うが、本当はこういった作品を書きたかったのではないかと思わせる。
book

佐谷恭, パクチーハウス東京, みんなで作るパクチー料理

パクチーハウス東京のレシピ本。もちろんすべてのレシピがパクチーを使ったもの。パクチー料理で一番問題となるのがやはりパクチーの入手なのだが、パクチーの種子を配布するパクチー銀行といったプロジェクトも始められており至れり尽くせり。
book

ブライアン・ワンシンク(著), 中井京子(訳), そのひとクチがブタのもと

邦題だけを見ると軽めのダイエット本の様だが、中身は質実剛健。著者は食行動や食心理学、食マーケティングの専門家で、豊富な実験例を元に人間の食行動がいかに環境に左右されやすいものかを示してくれる。おすすめ。
book

久保象(文), ホリユウスケ(漫画), ドラッグの教科書

表題だけ見るとドラッグ全般を扱った本に見えるが、実際は大麻中心。著者が大麻推進派である以上、大麻の良いことしか書かれていないので、教科書と呼ぶには若干心許ない。しかしながら、随筆的な読み物としては十分に楽しめる。挿絵代わりのホリユウスケの漫画、"彼女はジャンキー" もなかなか。
movie

テッド

話題作を観に行くのは悔しいが、この作品テッドは大当たり。強いて難をあげるなら、アメリカ文化を共有していないために笑えない箇所が多いくらい。フラッシュ・ゴードンあたりが限界か。字幕は相当な意訳でごまかしていたが、よくここまで仕上げたものだと思う。星一徹やくまモンまで出てきたのにはさすがに苦笑したが。
book

佐藤俊樹, 不平等社会日本 さよなら総中流

社会調査の手法により、階層の相続の有無を解き明かそうとする試み。特に、ホワイトカラー雇用上層の再生産に軸足を置いており、近年の知識階級が閉鎖的となっている様子がよく分かる。SSM調査のデータを基礎としているため、少々強引な仮定を置いて推測している箇所も見受けられるが、この種の調査としては許容範囲だろう。一昔前の質実剛健な新書のスタイルのため、読み応えも十分。
comic

青山広美, 東風のカバ (1)

今となっては何もかもが懐かしい東風荘マンガ。青山広美はギャグの方がいけるのではないかという気がしてくる (まあ、バードもある意味高度なギャグマンガだが) 。残念ながら2巻が刊行されていないのはさすが竹書房。