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book

米川伸生, 回転寿司の経営学

経営学というよりは現在の回転寿司業界の業界地図といった趣。それはそれで最近の回転寿司事情に疎い人間には読み物として面白いが。経営学らしい視点は、業界内でのポジショニングとコストの内訳。ポジショニングとしてはグルメ系回転寿司と100円均一回転寿司の二極化の流れや各チェーンのポジショニングの変化の分析が主。回転寿司ならではのコスト構造も興味深い。他の外食産業と比較して異常に高い原価率 (F/Lコスト) でありながら、広告宣伝費、地代家賃を削りつつ薄利多売の構造を維持することで成り...
game

Magic: The Gathering – Duels of the Planeswalkers 2013

Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2012の続編。Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2013。ついに日本語対応。ただし誤訳が多く微妙なので、英語版で遊んだ方がストレスがたまらない。なお、英語版で遊ぶにはSteam側の言語設定を英語にして再起動すれば良いSteam版のプロモーションカードはセラのアバター/Serra Avatar。クーポンを近隣の販...
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初見健一, 今でも買える “懐かしの昭和” カタログ 食品編

お菓子類を中心とした昭和からのベストセラー商品のカタログ。ただ懐かしい商品というだけでなく、今でも買える商品ばかりというのがポイント。主な想定読者はおそらく1960年代~1970年代に首都圏で子供時代を過ごした人たちだが、それ以降も細々と売られ続けていたり全国に流通していた商品も多いので、誰が読んでも楽しめるだろう。
comic

森高夕次(原作), アダチケイジ(漫画), グラゼニ (1)

プロ野球選手の年俸や生活設計に着目した作品。この目の付け所はさすがコージィ城倉 (森高夕次) 。中継ぎ投手を主役に据えたのも見事で、試合の勝ち負けよりもチーム内での自身の危うい立場を気にせざるを得ない事情もよく伝わってくる。
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幕内秀夫, 40歳からの元気食「何を食べないか」 10分間体内革命

管理栄養士の書いた本だが、良く言えば素朴な、悪く言えばエビデンスのない食生活指導。心情的には同意できる部分もあるが、裏付けが一切ないのでやはり説得力がない。所々数値が表れるが、出典が曖昧で対照群も不明なものばかり。例えば、"乳がん患者は八割がパン食" の小見出しで煽っているが、出典が不明で、本文から推測すると著者が恣意的に選んだ患者に聞き取った結果の様に読める。非乳がん患者の何割がパン食なのかも不明。特に理由を示さない添加物批判などもお約束。ここは珍しく出典が示されていると思...
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内山昭一, 昆虫食入門

昆虫食と聞くと一般にはゲテモノ食扱いされることも多いが、本書は至って真摯な内容。食べられる昆虫の紹介や調理方法はもちろんのこと、話は栄養学や食料資源としての昆虫までに及ぶ。また、著者が食育の一環として薦めている草の根的な活動紹介が実に熱く、現場の空気が伝わってくる。
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野内良三, ユーモア大百科

小粋なジョークが400ページ分。時事風刺からエスニックまで、幅広い内容。一応ジャンル別に分類されているが、どこから読み始めても面白い。
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津田岳宏, 賭けマージャンはいくらから捕まるのか? 賭博罪から見えてくる法の考え方と問題点

麻雀ファンなら一度は疑問に思ったことのあるお題を現役の弁護士が追いかける。もちろん、刑法の条文解釈と判例の調査が基本になるのだが、それにとどまらずに雀荘関係者への取材を通じてボーダーラインを探ろうとする姿勢は素晴らしい。ただし、それで得られた結論が、都内のピンやテンゴのフリー雀荘は逮捕の可能性は殆ど無いが運が悪いと逮捕されることもある (逮捕実例あり) 、という曖昧なものであるのはやはり残念に思う。後半はそこからさらに飛躍して、刑法の賭博罪のあり方について。そもそもの賭博罪成...
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生島淳, 箱根駅伝

箱根駅伝に対する各大学の取り組みや監督の考えなどの取材をまとめたもの。オーダーの組み方や選手の育成など、監督の考え方が透けて見えるインタビューは興味深い。話は箱根駅伝が日本の陸上競技界に与える影響にまで及ぶが、こちらは肝心の日本陸連や関東学連の考えが取材できておらず片手落ちか。
comic

石田敦子, 球場ラヴァーズ 私が野球に行く理由 (5)

シーズンオフに入りネタが減ってきたせいか、ラブコメ要素が強くなってきた。それでもさり気なくドラフトネタを入れてくるあたりはさすが。