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田村秀, データの罠 世論はこうしてつくられる

いわゆるデータリテラシー本。世論調査に始まり、視聴率、都道府県ランキング等、よくみる "危うい" データに触れられている。解説も読みやすく、はじめてのデータリテラシー本としてもお勧めできる。 また巻末では、近年の中央省庁の再編によるスリム化の検証を行っているのが、この手の本にしては珍しいところか。
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Wi-Fi対応 役満DS

ニンテンドーWi-Fiコネクションを使った麻雀ゲームは初らしいので購入。 操作一般タッチペンを使った操作は牌を切るのにダブルタップが必要で、どうも使いにくい全体的に牌が小さい。特に相手の河。キャラクタの表情よりも牌にスペースを割いて欲しかったキャラクタの発声がかなり紛らわしい。鳴きだか和了だかわからないジュゲム先生は強気すぎると思うWi-Fi対局テトリスDSと同様、マッチングの待ち時間が長い対戦時の持ち時間が30秒とかなり長め自分の手番のときに音が鳴らないのが致命傷。ながらプ...
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トム・スタッフォード, Mind Hacks 実験で知る脳と心のシステム

人間が潜在意識下でどのような処理を行っているかを知ることができるのは興味深い。文中でも触れられているように、生存に有利な方向に進化してきたのだろうということが伺える。 内容も堅すぎず、豊富な実験を実際に自分で体験しながら読みすすめられるので飽きない。内容には全く不満はないが、webページにあるデモンストレーションを見ながらでないと楽しめない項が多く、電車の中で読むのには難があるのだけが残念。
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迫村純男, 英語論文に使う表現文例集

論文を書く上で欲しくなる表現がよく選ばれているように思う。その意味では使いやすい。 ただし、掲載されている文例をgoogleで検索するとほとんどヒットしないものがあるのが少し不安ではある。また、いわゆる理系の論文向きではなさそうな表現が散見されるのも注意。
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牧野和夫, 2ちゃんねるで学ぶ著作権

2chの冠がついているものの、中身はまともな一冊。2ch発のAAやキャラクターを例題とした解説が実に分かりやすく、ネット上でよくある事例にも則しているように思える。 元アップルコンピュータ法務部長の牧野弁護士とひろゆき氏のかけあいも楽しい。ひろゆき氏はなんだかんだ言って頭のいい人だな、と思う。
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鈴木英次, 科学英語のセンスを磨く オリジナルペーパーに見られる表現

J.B.C (Journal of Biological Chemistry) とJ.O.C (Journal of Organic Chemistry) の論文の統計データをもとに、よく使われる表現をまとめたもの。とはいうものの、化学分野に完全依存ではないので、理工系の論文を書く人は広く利用できる一冊。 同一の意味をもつ複数の表現が、出現数と共にまとめられているのが非常に便利。また、副詞や副詞句などは文頭・文中・文末での出現数がまとめられていたり、冠詞がつくか分かりにくい単...
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宮脇俊三

宮脇俊三のとをまとめ読み。 いわゆる完乗も最長片道切符も鉄の間ではポピュラーな遊びらしいが、その初期に実行して、かつ読み物として面白くまとめたというのは素晴らしい。鉄でない人にも十分に楽しめる。 通して読むとさすがに最後はダレてくるが、それもまたこのバカバカしい旅 (褒め言葉) の味かと思う。
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ジェームズ・T・キーティング, ネイティブチェックが自分でできる英語正誤用例事典

仕事で英語の文書を書かねばならないこともあるので、手元に何冊か英語のアンチョコ本を置いている。そんな中で、長く生き残っているのがこの本。 避けるべき無駄な単語やくどい言い回しは実に参考になる。また、細かい規則や約物の使い方など、意外に見落としがちなものも拾えて少し得した気分になる。手元に置いておき暇なときにパラパラとめくるのにもお勧め。 ただ、"ネイティブチェックが自分でできる" というのはいくらなんでも過大広告だと思う。
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小室直樹, 経済学のエッセンス 日本経済破局の論理

小室先生お得意のケインズ、サムエルソンのマクロ経済学の入門書。経済学のエッセンスであるところのケインズモデルの解説のわかりやすさに加え、この文庫のために加筆された「平成大不況のエッセンス」がまた素晴らしい。まさにバブル後の平成大不況の仕組みが腑に落ちる。相変わらずの小室節も健在でお勧めの一冊。
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畑村洋太郎, 失敗学のすすめ

失敗をいかにして生かすかを科学的に実証した本。 畑村先生の研究室では、過去にあった失敗を後輩に伝えるにあたり失敗者の実名を伝えることにしている、というくだりが興味深い。素人考えでは、実名を隠す方が失敗を公開しやすいのではないかと思えてしまうが、以下の3つの理由を読んで納得できた。 聞く者によりリアルで強烈なインパクトを与えることができる興味を覚えた者がより詳しい内容を知りたいとき、失敗者本人に直接聞くことができる実名を出すことで、失敗とは隠すものではないという文化をつくること...