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寺門ジモン(原作), 刃森尊(漫画), ネイチャージモン (1)

テレビの中ではダチョウ倶楽部の目立たない人として認識されている寺門ジモンだが、一歩踏み込んでみるとこれが面白い。どのジャンルにしろ極めるまでのめり込んだ人間の話は興味深いものだが、クワガタと焼き肉に異常なまでの執念を燃やす人間の話が面白くないわけがない
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井戸まさえ, ドキュメント 候補者たちの闘争 選挙とカネと政党

政治家になるには避けて通れない選挙。その選挙に出馬するには、まずは政党の候補者にならねばならない。その闘争を当事者が描く。選挙に出られればどの党でもいい、というのが本音の政治家も多い。とにもかくにも議席を得なければ、何も仕事ができないのだから当然だ。そうでないと、この世界では生き延びられない。理念は政党の必須条件ではあるが、選挙をきっかけとして設立されている (比例代表での得票には政党が必須である) 以上、理念は後付けとなってしまう。2017年の異次元総選挙は、この点を明らか...
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吉田勝次, 洞窟ばか

タイトルの "洞窟ばか" がすべてを表している。洞窟に魅入られてその人生を洞窟に捧げてしまった人間の自伝。洞窟と言われてもピンとこない人が大半だろうが (もちろん自分もそうだった)、そんな人もグイグイ洞窟に引き込むパワーのある本。巻頭の写真の美しさも特筆モノ。
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佐藤優, 組織の掟

佐藤優による組織論とその中での処世術など。外務省という特殊な組織での経験談がほとんどだが、大企業一般に通じるところもあるだろう。特に、能力の低い人間や、性格に欠陥がある人間を絶対チームに加えないことだ。とんでもない責任が降りかかってくるヤバい話については「聞かないでおく」というのが強力な防御法だ。といった組織のリスク管理については普遍的なものであると感じる。
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橘玲, 80’s エイティーズ ある80年代の物語

橘玲の自伝的回顧録。1980年代の早稲田大学やその周辺の雑多なビジネスの雰囲気がリアルに伝わってくる。またそれらが氏のどこか冷めた思想や文体を形作ったことも。
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林和人, 香港大富豪のお金儲け 7つの鉄則

香港大富豪層を相手にしてきた証券マンが見た彼らの考え方をまとめたもの。徹底的に目立つことを避けるLow Profileな生き方、すべての物事を利害関係でとらえる経済合理性、正しい知識による感情のコントロールなど、彼らに学ぶべきことはたくさんある。
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タカ大丸, 貧困脱出マニュアル

問題のある家庭から翻訳者・通訳者としての地位を確立した著者が語る貧困脱出の方法。おすすめの職業として競輪・競艇や相撲を挙げているのは突飛に感じるが、参入障壁が低く収入が高いスポーツというとこのあたりになるのだろう。二世が比較的多い点もそれを裏付けている。
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辣椒, マンガで読む嘘つき中国共産党

亡命中国人による共産党風刺マンガ。マンガ単体としての面白さはさておき、国内安全保衛に拘束された強烈な体験談など、中国共産党の実態を知るために有益な情報が多数。
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小林昌平, その悩み、哲学者がすでに答えを出しています

現代人の様々な悩みも哲学の歴史から見ればすでに長年議論され尽くしてきたよくある悩みの一つに過ぎない。今現在悩みを抱えている人も、本書からきっとヒントを得ることができるはず。多数の哲学者をつまみ食いしているため一つ一つは薄めだが、哲学への取り掛かりとしては良い本。
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先崎学, うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

著名人がここまで赤裸々に語った闘病記は貴重。うつ病患者にとって何が嬉しかったかという記録は、同様の患者に接する際にも大いに参考になる。みんな待ってますという一言のように、存在価値を確認できるような言葉が大事なのだと思う。逆に、暗い人間を元気づけようと明るいことをはなすのは避けなければいけない。幸いにして著者は1年程度で復帰しているが、これには精神科医である実兄のおかげによる最高に近い治療環境があったことは留意するべき。