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藤野英人, 投資レジェンドが教える ヤバい会社

ひふみ投信のファンドマネジャーによる投資ネタ本。経験則が中心でエビデンスに乏しい。一部、『社名に漢字が入っていない会社に投資したほうが成功確率は高い 』 や『本社所在地が千代田区・中央区の「帝都銘柄」は儲かりにくい 』 といったアノマリーには過去10年の平均騰落率が挙げられているが、因果関係や生存者バイアスの有無など不明な点が多い。
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森博嗣, 「やりがいのある仕事」という幻想

森博嗣らしい醒めた仕事論。仕事はあくまでも働いて金を儲ける行為であり、それ以上の意味付けを否定する。好き嫌いがはっきり分かれそうではあるが、著者本人がその思想に基づいて幸福度の高い生活を送っていることは注目に値する。
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竹内謙礼, 青木寿幸, 猿の部長 マーケティング戦略で世界を征服せよ!

今度のテーマはマーケティング。いつも通り小説部分は突飛なストーリーだが、ポジショニング、SWOT分析/TOWS分析、顧客開発モデルなどのマーケティングの基礎は一通り学べる構成になっているのはお見事。
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三戸政和, サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門

タイトル通り、個人M&Aを推奨する本。 なにもないところから会社を立ち上げるゼロイチ起業で成功するのは難しいため、10年生き残って軌道に乗っている企業を個人でM&Aすることを勧めている。ただし、著者はM&Aコンサルを生業にしている以上、どうしてもそのバイアスがあるので注意が必要。 内容は頷ける部分も多いが、 中小企業は最新モデルを知らないと断言するなど、中小企業をどこか見下しているような物言いが気になる。また、内情をよく知っているはずの従業員が引き継がずに後継者が不足している...
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加谷珪一, お金は「歴史」で儲けなさい

お金の歴史を学ぶことで、より高い確度で儲けていけるという主張。 日本株130年の超長期チャートは新鮮。米国では長期の分析があるが、日本株の分析は珍しい。著者によるとこの130年間は年間平均7%の株価上昇を記録しており (配当金の扱いやインフレ補正の詳細は不明)、米国からは劣後する。日本企業に投資するならば米国の市場拡大の恩恵を受けられる企業を選ぶべき。 ハイパーインフレの歴史も興味深い。ドイツのハイパーインフレでは、為替、金、物価、不動産、株価の順で価格が上昇した。株価は案外...
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堀江貴文, 儲け方入門 100億稼ぐ思考法

見開き2ページを一項目として要点のみを書くスタイルは実に堀江貴文らしい。初めて氏の著作を読む方にはもう少し補足が必要だと思うが、背景がわかっている人にはこれで必要十分だろう。 ビジネスのヒントも惜しみなく公開されている。その中で、 利益率が高くて元手がかからないことをやる というのは他の多くの起業家たちの意見と共通している。例えば、プッシュカートビジネスが勧められているのと本質は同じ。
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スコット・A・シェーン(著), 谷口功一(訳), 中野剛志(訳), 柴山桂太(訳), 〈起業〉という幻想 アメリカン・ドリームの現実

華やかに見える米国のスタートアップも、その実態は大きく異ることをデータで示している。 米国はそもそも起業が盛んなわけではなく、その起業もハイテク産業ではなく建設業や小売業などの枯れた業種が中心。起業の動機も、世界を変えるという華々しいものは少数派で、他人の下で働きたくないという理由が多い。起業した結果、雇われていたときよりも長時間労働かつ低収入に陥っていることも多い。 それでも、起業自体が幸福度を挙げることにつながっているのは救い。他人のために働くよりも自分のために働いたほう...
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Testosterone, 筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法

一見ネタ本だが、実はなかなかに考えられた良書。 どんな悩みも筋トレで吹き飛ばせるという主張が繰り返される。自己啓発本は読んだあとに何をすれば良いかよくわからずそのままとなってしまうことがお多いが、本書はとにかく筋トレをやるべきと思わせてくれる。 具体的な筋トレ方法がほとんど書かれていないのは他の本をあたれば良いが、効果はすべて科学的に証明されていますと主張している箇所はさすがに参考文献を挙げるべきかと思う。
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村上世彰, 生涯投資家

その物言いで批判を受けることも多い著者だが、本書を通読すると、その思想が一貫していることがよく分かる。 本書で繰り返し述べられているのは、日本の上場企業の内部留保が多く、ROEを低下させていること。新しい事業にきちんと投資できないのならば、自社株買いや配当で株主に還元することが経済を回すことになるという思想には強く共感できる。
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サラ・クーパー(著), ビジネスあるある研究会(訳), 会議でスマートに見せる100の方法

Yahoo! やGoogleでの勤務経験もある著者によるネタ本。 無駄な会議が多いのは米国やGoogleも例外ではないのが分かり少し安心する。