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荒俣宏(監修), アラマタ大事典

分類としては児童書になるのだろうが、大人が読んでも十分に楽しめる。 取り上げられている項目は相当な偏りがあるが、それが本書の味。小学生男子が食い付くネタという意味では一貫性がある。記述は概ね妥当だが、娯楽性を重視してか、ややオカルト系に肯定的な記述が目立つのだけは気になる。
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佐藤洋一, BASIC800で書ける! 理系英文 使うのはいま覚えている単語のみ! だれでも学べるカンタン英語

表題にもなっているBASIC800は制限言語の一種だが、無理に語彙を制限する種類のものではなく、3Cs (Clear, Correct, Concise) を満たすためならば専門用語の柔軟な使用を認めるなど極めて実用的な内容。 英作文の教本としてみた場合、原文解釈や和文和訳 (和文を英訳する前段階として、英訳しやすい和文に書きなおすこと) に重点を置いているのが特徴的。普段英訳する際にも同じ段階を踏んでいたが、それを自覚させてくれた効用は大きい。 説明も平易で非常に読みやすい...
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本橋信也(著), 河野達也(著), 鶴見利章(著), 太田洋(監修), NOSQLの基礎知識 ビッグデータを活かすデータベース技術

表題どおりのNOSQLの入門書。 NOSQLの思想の背景にあるCAP定理やACID, BASEといった基礎概念からしっかり学べる。 主要なNOSQL製品の分類や性の比較まできちんとまとまっており、これ一冊でNOSQLの学習から導入までをしっかりサポートしてくれる。おすすめ。
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ティナ・シーリグ(著), 高遠裕子(訳), 三ツ松新(解説), 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

嫌でも前向きな気持にさせられる自己啓発本。 著者本人や知人のエピソードを通じた話題が多く、感情移入して読める。特にお気に入りは、第8章の交渉に関わるエピソードの数々。交渉の際には自分の望みと交渉相手の望みと一致しているケースが実は多い、という事実はつい忘れがち。 スタンフォード大学での講義に加え、著者の経歴を生かした様々なワークショップ技法などに触れられているのも良い。
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宮崎市定, 科挙 中国の試験地獄

様々な伝説がひとり歩きしている感のある科挙試験の実態を詳細に解説したもの。 特に末期の清朝の制度を中心に解説しているせいもあるが、科挙が恐ろしく複雑な制度であることがよくわかる。中でも特色的なのは、人間を信用しないがために生まれた不正防止の方法の数々。何重にも重ねられたチェック体制がいたずらに試験を肥大化させている原因の一つである。 また、科挙にまつわる道教思想に基づいたエピソードの数々も現代とはかけ離れた感覚があり面白い。 著者独自の考察としては、国家として教育に投資せず民...
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内山昭一, 昆虫食入門

昆虫食と聞くと一般にはゲテモノ食扱いされることも多いが、本書は至って真摯な内容。 食べられる昆虫の紹介や調理方法はもちろんのこと、話は栄養学や食料資源としての昆虫までに及ぶ。また、著者が食育の一環として薦めている草の根的な活動紹介が実に熱く、現場の空気が伝わってくる。
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花里孝幸, ミジンコはすごい!

陸水生態学の専門家によるミジンコの本。ミジンコがいかにして環境に適応していくかの実例を通じて、湖の生態学をも学べる仕組みになっている。 岩波ジュニア新書から刊行されているが、大人の読書に充分耐える内容。
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成毛眞, 日本人の9割に英語はいらない

日本人で英語が必要な人は限られている、との論。掲げられる数値も実感に合っており、説得力がある。この主題は良いのだが、それが続くのは2章まで。3章以降は自身の好みの書籍を紹介したりといった雑多な内容。著者のファンには良いかもしれないが、そうでない人には散漫な印象しか残らない。
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大津由紀雄, 鳥飼玖美子, 小学校でなぜ英語? 学校英語教育を考える

当時導入の議論の真っ最中であった小学校への英語教育導入について、懐疑的な立場から。小学校への英語教育導入の根拠とされている「早く始めるほどよい」が幻想であるという議論に始まり、そもそも真のコミュニケーション能力とは何か、学校英語教育が何を目指すべきなのかまでを検討する。 小冊子なので踏み込んだ議論はできていないが、その要旨は十分に納得できる。良書。
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蛇蔵(構成・漫画), 海野凪子(原作), 日本人の知らない日本語

日本語教師によるエッセイマンガ。 体系だった本ではなく細切れのエッセイなので日本語本としてみるとあまり見るところはないが、さらりと読むマンガとしては文句なし。