fiction

book

マネー・ヘッタ・チャン, マッチポンプ売りの少女 童話が教える本当に怖いお金のこと

ヘッテルとフエーテルの続編的内容。 今回もどこかで聞いたような話が多く、あまり新味はない。前作ほど無理に童話仕立てにする必要も無いように感じる (マーケティング的には必要なのだろうけど) 。前作と変わらずさらりと読めてしまう点は良い。
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佐藤義典, 新人OL、つぶれかけの会社をまかされる

ライトノベル仕立てのマーケティング入門書。 いくらライトノベルとはいえストーリーはご都合主義が過ぎる気もするが、肝心のマーケティング部分はそれほどトンデモでもなくマトモな内容。数十分で気軽に読める本としては悪くない。
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清涼院流水(著), 西島大介(イラスト), 成功学キャラ教授 4000万円トクする話

なぜ小説家がビジネス成功本を、と思ったが、あとがきによると数百冊の成功本を愛読する趣味が高じて著作に至ったらしい。 過去の成功本に共通するエッセンスを抽出して小説仕立てに直した様な内容で、どこかで聞いたことがあるような、それでいて実践できそうでできない成功法則が続く。成功法則として目新しいものはないのだが、それでも一気に読ませてしまう構成はさすが。
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水野敬也, 夢をかなえるゾウ

少し毛色の違う成功本。独自の成功法則というよりは各種の成功本を正しく活用する方法を主題に据えているので、メタ成功本とでも言うべきか。読みやすい小説仕立てなのも嬉しいところ。
book

水野敬也, 四つ話のクローバー

"幸せ" をテーマにした寓話集。少々あざとさを感じる部分がないでもないが、それでも深い含蓄を感じる。また、最終話の "氷の親子" には素直に泣かされる。涙もろい人はご注意を。
comic

谷口ジロー, 東京幻視行 谷口ジロー傑作短編集2

谷口ジローの1980年代の作品を中心に編集したもの。 この頃は自身の可能性を模索するためか、様々なジャンルに手を出していたこともあり、あまり統一感はない。ハードボイルド劇画、SF、スポーツなど、最近とはだいぶ作風が違うものも多いので、にわかファンが読むものでもない気がする。それでも、作品の所々に最近の作品の下敷きとなったと思える部分を探すのは楽しい。
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西村賢太, 苦役列車

芥川賞フィーバーが去ったので読んでみる。 怠惰とその結果としての孤独や窮乏を嫌というほど見せつけられるだけの作品なのだが、自身もそこから紙一重であることに気づくと陰鬱とした気分になってくる。
book

蒼井上鷹, 4ページミステリー

ミステリーというよりはホラーの様な作品が多い。また、4ページという体裁に縛られてやや消化不良となっている作品も多い。それでも、手軽に読める4ページという長さで一冊分書き上げているのは通勤の友としては嬉しい。
comic

Boichi, Boichi 作品集 HOTEL

以前読んだアンソロジーに収録されていた短編 "全てはマグロのためだった" が良かったので読んでみたのだが、少し異なる作風のものが多く、あまり好みに合わなかった。 比較的好みなのは "PRESENT" あたりか。やはり私はベタなSFと馬鹿SFが好きらしい。
book

我孫子武丸, 小説たけまる増刊号

雑誌風の装丁という遊び心はさすが我孫子武丸といったところ。 内容はホラーあり、ミステリありの短編集で飽きさせない。また、さりげなく挟み込まれている "叙述トリック試論" が妙に質が高い。