fiction

book

鯨統一郎, 新・世界の七不思議

邪馬台国はどこですか?の続編。 さすがに前作からはちょっとパワーダウンしたか。決して面白くないわけではないのだけど、さすがに飛躍が過ぎる説には少し興ざめする。
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山本弘, 闇が落ちる前に、もう一度

を文庫化したもの。 いつものSFよりはややホラー寄りの短編集だが、山本弘らしさがよく出ている。 中でも特にホラー・サスペンス色の強い「屋上にいるもの」がおすすめ。50ページほどの短編なので是非読んでもらいたい。
book

間羊太郎, ミステリ百科事典

寝る前に少しずつ読んでいたら半年近くかかってしまった (他の本に浮気もしていたが) 。 ミステリでよく見られるトリックやモチーフを網羅した、まさに百科事典の名にふさわしい作品。700ページ超のボリュームはダテではなく、名作ミステリはもちろん映画や落語のネタまで取り上げられており、著者の博識がうかがえる。 巻末には妖怪学入門も収録され (これだけで別冊にできるほどのボリュームがある) 、読み応えも充分。
book

鯨統一郎, 邪馬台国はどこですか?

帯には歴史ミステリ連作集という煽りが書かれているが、何というか歴史漫談というか。 肝心の歴史ネタの面白さは保証付き。特に表題作はお勧めできる。私はあまり歴史に明るくないので、どこからがトンデモなのかはわからないが、読み物として十分に楽しめる。
book

三浦しをん, 風が強く吹いている

共に一流ランナーとして期待されながら、事件を起こして弱小校に進学することになった主人公と、怪我に苦しめられてきた先輩とを中心に一丸となって箱根駅伝を目指す、潔いくらい直球ど真ん中の青春小説。 未経験者があり得ない記録で走っているとか少々腐女子臭がするとか細かい点はいろいろあるが、陸上競技経験者としても共感できる疾走感溢れる作品に仕上がっている。500ページ超のボリュームを感じさせず、一気に読み終えてしまった。山口晃さんの装丁も素晴らしい。
book

山本弘, まだ見ぬ冬の悲しみも

山本弘がマイブームなので短編集も読んでみる。 アイディア勝負の、まさにSFらしい作品ばかり。言語ネタからタイムトラベルまで、幅広いアイディアで飽きさせない。
comic

岡崎二郎, アフター0 著者再編集版 (1)

実は岡崎二郎を読むのは初めて。 SF短編集なのだが、一本の短いページ数の中に惜しげもなくアイディアが投入されている、非常に密度の高い本。2巻も買おう。
book

青井夏海, スタジアム 虹の事件簿

東海レインボーズのオーナーにも関わらず野球素人な虹森多佳子を主人公とした安楽椅子探偵モノ。覚えたての野球を例え話に事件を解説するスタイル。 野球部分は意外とまとも。端々に野球好きをうならせる様なネタも。例えば、フライ捕球後のリタッチが間に合わずに刺された場合、フォース扱いではなくタイムプレイになるところなどは野球好きの人間でも誤解している人が多そう。
book

山本弘, アイの物語

7本のSF短編からなる作品だが、それぞれの短編を繋ぐインターミッションが素晴らしいデキ。 1話目の "宇宙を僕の手の上に" を読み始めた頃は今ひとつな印象だったが、2話目からグングンと引き込まれた。特に6話目の "詩音が来た日" は間違いなくおすすめできる作品。泣いた。 著者が自身のホームページで、 ここに収めた物語はどれも泣ける話である。 僕自身、自分で書いてて泣いたのだから、間違いない。 と語っているだけのことはある。
book

水原秀策, サウスポー・キラー

うっかりジャケ買い。 謎解きの楽しみという点では今ひとつだが、テンポは悪くない。また、野球の試合やトレーニングに関する蘊蓄もなかなかなので、野球好きには楽しめるかも。