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大山倍達, 強くなれ! わが肉体改造論

あのマス大山が語る身体鍛錬法。食に関する話題が占める割合が大きいが、素朴な自然食信仰であり、あまり科学的な裏付けはない。単純な事実誤認 (カール・ルイスがロサンゼルス・オリンピックの三段跳びで優勝した、など) も見られるので、編集にもう少し仕事をして欲しかったと思う。精神論的な部分には共感できる部分もあるので、そちらを中心に楽しむのが良いかもしれない。
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蒔野靖弘, 蒔野靖弘の世界のてきとー料理ショー

COMICリュウの連載に加筆してまとめたもの。地方に居ながら世界の料理を作るという企画は悪くないのだが、あまりにも低予算過ぎて活かしきれていない感がある。レシピ自体は実用的で悪くない。
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石毛直道(監修), 吉田集而(責任編集), 講座 食の文化 第1巻 人類の食文化

味の素食の文化センターの設立10週年を記念して企画されたシリーズの一冊目。人類の食文化という非常に大きく野心的なテーマを掲げており、地理や歴史はもちろんのこと、考古学から言語学まで様々な方面から仁るの食文化を捉えている。著者陣も非常に豪華で、その道を代表する面々ばかり。気軽に手に取る種類の本ではないが、食に興味がある方はぜひ一読して欲しい。食を捉える視点が広がることは保証できる。
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村上宣寛, 野宿大全 究極のアウトドアへの招待

登山以外にツーリング等も含めた野宿の総合解説。極端な軽量化を目指しているわけではないので、ウルトラライトを狙う人に役立つノウハウは少ないかもしれない。多用な製品を自腹購入して実地で使用しているので、そのレポートとしては優れている。評価がやや独善的な点は好みが分かれるところか。また、宿泊地の選定にあたっては違法と思われる記述もあるので注意が必要。
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張競, 中華料理の文化史

各種の歴史書をひもとき、古代の中華料理の姿を探ろうという試み。膨大な文献を追い、過去の中華料理の姿を推理していく姿には素直に頭が下がる。こうして再現された古代の中華料理の姿を見ると、現代の中華料理はさほど長い歴史を持っているわけではないことがよく分かる。また、それらの古代の中華料理と日本料理の類似性の指摘も興味深い。
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川島博之, 「作りすぎ」が日本の農業をダメにする

「食糧危機」をあおってはいけない、「食料自給率」の罠に続く農業政策本。世界的に食料が余っているという現実と今後も過剰生産が続くという見通しの下、これからの日本の農業の形を探っていく。日本の農業の構造的な問題にも触れており、政治的な視点もある良書。おすすめ。
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橘由歩, 全国ごちそう調味料 ご当地の絶品でご飯が進む! お酒が旨い!

日本全国から集めた69種の調味料カタログ。お取り寄せするようなややお高めのものが中心。カタログだけではなく、それぞれの調味料に簡単なレシピが付いているのも嬉しい。
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マイケル・ブース(著), 寺西のぶ子(訳), 英国一家、日本を食べる

イギリス人シェフとその家族が3ヶ月に渡り日本を食べ歩いた記録。無理に日本を持ち上げることなく、ところどころ素直に文句をつけながらも、日本の食事に馴染んでいく姿が良い。また家族連れということもあり、グルメガイドだけではなく旅行記としても良い仕上がりになっている。
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荒川弘, 百姓貴族 (3)

前巻はやや借り物のネタが多かった印象があるが、ここに来てパワーアップして復活。結婚と出産を経て、荒川弘ならではのネタが増えたのが大きいか。
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新久千映, ワカコ酒 (2)

ワカコ酒の続編。前巻同様、ただ飲み食いするだけのマンガなのだが、可愛らしい絵柄と相まってなんとも言えない魅力がある。今回はいわゆる呑み屋が中心で変化球は少なめで、女子会と駅弁程度。ワカコの周辺もあまり明らかになってこない。