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ASIOS, 謎解き 古代文明

今作は少し毛色を変えて、超古代文明とオーパーツが中心。構成は従来のシリーズと同じだが、真実が良くわかっていないものも多い分野なので、少々歯切れが悪い箇所がある。読み物の一つとして楽しまれたい。
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大崎裕史, 日本ラーメン秘史

秘史というほど秘密の内容が含まれているわけではないが、ラーメンの (短い) 歴史を俯瞰するには良い本。あくまで広く浅くの新書なので、話のネタ程度に。
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近藤好和, 騎兵と歩兵の中世史

太平記を中心に読み解き、室町時代の武具の変遷を追う。主眼はあくまでも武具に置かれており、そこから合戦の変化などを類推するスタイル。武具の図版も豊富であり、少し興味がある程度の素人が読んでも十分に楽しめる。唯一残念なのは、合戦の変化がなぜ起こったのかの理由付けがやや弱いところか。
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新雅史, 商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道

それなりに歴史があると思っていた商店街の大半が、実は第一次世界大戦後の離農者対策として政治的に作られたものであることは新たな発見であった。そこを出発点とすると、戦後の商店街の発展を経て、オイルショック後に急激に崩壊し圧力集団となっていく流れがすとんと腹落ちする。
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キンマサタカ(編集), 本当は怖い昭和30年代 ALWAYS地獄の三丁目

いわゆるコンビニ500円本だが、これがなかなか。増刷もかかっている。三丁目の夕日に代表される昭和懐古ブームに対抗し、昭和30年代の悪いところだけを抜き出したもの。キレイなところだけを抜き出した作品よりもこちらの方が娯楽としてよっぽど面白い。
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譚ろ美, 中華料理四千年

中華料理エッセイ集。とはいえ、歴史も含めて背景知識のきちんとしている著者なので、単にこんなものを食べましたで終わらずにその料理の歴史背景まできちんと踏み込んでくれる。肝心の料理の描写も、きちんと料理への愛が感じられるもの。トリビア的な知識も満載で、読み物としても面白い。ところどころ日本語が固いのはご愛敬。
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宮崎市定, 科挙 中国の試験地獄

様々な伝説がひとり歩きしている感のある科挙試験の実態を詳細に解説したもの。特に末期の清朝の制度を中心に解説しているせいもあるが、科挙が恐ろしく複雑な制度であることがよくわかる。中でも特色的なのは、人間を信用しないがために生まれた不正防止の方法の数々。何重にも重ねられたチェック体制がいたずらに試験を肥大化させている原因の一つである。また、科挙にまつわる道教思想に基づいたエピソードの数々も現代とはかけ離れた感覚があり面白い。著者独自の考察としては、国家として教育に投資せず民間任せ...
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多根清史, 教養としてのゲーム史

新書で "ゲーム史" というほど大層な内容が書けるのかと疑問に思いつつ読み始めたが、ブレイクアウトに始まりスーパーマリオブラザーズに至る頃までの初期のゲーム史がきちんと描かれている。この時代は、過去のゲームから踏襲されたものとハードウェアの制約が緩められるたびに投入される新たなアイディアが比較的明確で、ゲームの進化がある程度直線的であったこともあり、非常に理解しやすい。一方で、紙幅の関係もあるとは思うが、最近のゲームについてはやや掘り下げ不足。一部のシミュレーションゲームに触...
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小峯龍男, 図解 古代・中世の超技術38 「神殿の自動ドア」から「聖水の自動販売機」まで

タイトルだけを見るとオーパーツを扱ったトンデモ本の様だが、ブルーバックスなのでそんなことはなくまともな技術本。メカトロニクス系の技術が中心だが、図版が豊富なので専門外の人間でも理解できる。半導体の無い時代にここまでできたのか、という素直な驚きとともに、人間の知恵に感心せざるをえない。
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戦国歴史研究会, 天下を魅了した数奇者

コンビニ向け (?) のワンコイン本だが、内容は意外とまとも。歴史ミーハーが読み流すには十分。イラストはやや耽美系。