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パオロ・マッツァリーノ, 歴史の「普通」ってなんですか?
今回は "庶民文化の伝統" がテーマとのことだが、例によって脱線ばかりで楽しい。"伝統" というと大仰に感じるが、著者によるとちょっと長めの流行のことにすぎない。そもそも "伝統" という単語自体がtraditionの訳語として明治時代に作られた言葉であり、日本人が "伝統" という西洋由来の概念を意識し始めてから高々100年程度しか経っていない。こうした視点に立つと、日本の伝統というものの多くが共同幻想にすぎないことに気がつく。