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Robin Williams(著), 吉川典秀(訳), 米谷テツヤ(解説), ノンデザイナーズ・デザインブック フルカラー新装増補版

既にを発行当初の1990年代末頃に読んでいたが、改訂版で読み直し。 大まかなストーリーは初版と変わらず、近接、反復、整列、コントラストの4原則の繰り返し。本職のデザイナーからすると物足りない内容だろうが、素人脱出には十分効果的。フルカラー化に伴い、色彩の基礎が追加されたのも良い。
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SCRAP, 人狼村からの脱出 狼を見つけないと、殺される

リアル脱出ゲームで名を上げたSCRAPのゲームブック。既存の脱出ゲームの単純なゲームブック化ではなく、ゲームブックという形態を生かした完全新作となっている。 いわゆる人狼をモチーフとしているが、ゲームブックの特性上、心理戦よりもロジックを重視する形式となっているので、人狼の名前にはあまり先入観を持たないほうが良いかもしれない。 難易度はやや高めで、細かなメモは必須。付属の捜査シートへの指示された書き込みだけでは完全な謎解きは覚束ない。難易度が高い分、自力で解けた時の感動は大き...
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ブライアン・ワンシンク(著), 中井京子(訳), そのひとクチがブタのもと

邦題だけを見ると軽めのダイエット本の様だが、中身は質実剛健。 著者は食行動や食心理学、食マーケティングの専門家で、豊富な実験例を元に人間の食行動がいかに環境に左右されやすいものかを示してくれる。おすすめ。
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山口周, 外資系コンサルのスライド作成術 図解表現23のテクニック

これは、と思うところに付箋を付けながら読み進めていたら、読み終わる頃には付箋だらけになってしまった。決してボリュームのある本ではないが、非常に密度が高い。 スライド作成をテーマにしているが、小手先のテクニックに走ることなく、メッセージを伝えるための本質に正面から取り組んでいる。実例も豊富ですとんと腹落ちする。おすすめ。
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ジョン・ブレンカス(著), 矢羽野薫(訳), 世界記録はどこまで伸びるのか

スポーツファンならば誰でも気になる世界記録の上限 (perfection point) を探る試み。 対象となる種目は、帯にもなっている100メートル競走やマラソンから水泳、空中静止時間、ホームランの最長飛距離まで多岐にわたる。この視野の広さは、著者のESPNのエグゼクティブプロデューサーとしての経験からか。 予測方法は種目ごとに様々だが、世界記録の変遷に外挿して漸近線を求めるようなよくあるアプローチではなく、ボトムアップで積み上げていく思考が中心。例えば100メートル競走を...
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アドルフ・F・V・クニッゲ(著), 服部千佳子(訳), 人間交際術

本書の理想とする交際術は、建前は人格者に見えるように振る舞いながらもどこか損得を考えつつ困った相手を冷笑的に見下す様な種類のもので、その腹黒さが実に人間臭い。その特徴が端的に表れているのが第4章の "どんな人ともうまくつきあえるコツ" 。相手のタイプ (尊大な人、執念深い人、など) 別にどのようなふるまいをするべきか、あまりに率直過ぎる対処方法が清々しい。 その一方で、対処的な交際術ではない、自分の内面を振り返るための項目は素直に身につまされるものが多い。この部分は自分を律す...
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中村敏雄, メンバーチェンジの思想 ルールはなぜ変わるか

中村敏雄の著作には、いつも自分のスポーツに対する無知を気付かされる。いくら現行のルールに基づいた戦術の良し悪しや個々の選手の技能を論じたところで、そのスポーツの成立した背景やその背後にある文化を知らなければただ虚しいだけとなる。 本書はそのスポーツの歴史や思想に真っ向から切り込んだ論考をまとめたもの。現代の表面だけのスポーツジャーナリズムに満足できない方にはぜひ手に取っていただきたい。
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中村敏雄, スポーツの見方を変える

スポーツの高度化ばかりに注力し大衆化が軽視されてきた日本の姿を皮切りに、近代スポーツの本質や体育との違いを論じる。 スポーツ文化を語る人は多々あり、Jリーグ立ち上げ後はスポーツと地域社会の関わりに踏み込んだ本も多いが、本書はそれらとはまた違った高度化と大衆化という対立軸を提供する。 最終章の、競泳を例に挙げたスポーツや体育のあり方は、近代スポーツの限界をはっきりと自覚させてくれる好例。様々な報道で取り上げられる競泳はまるで水泳の代表の様な顔をしているが、実は水泳の様々な要素の...
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中尾佐助, 分類の発想 思考のルールをつくる

著者の専門とする植物学やその親玉である本草学・博物学はいわば分類を行うための学問と言える。その学問の中で、タクソンやクライテリオンがどの様に定義されているかは、他分野でも参考になるだろう。 恥ずかしながら自分は今まで類型分類や規格分類、系譜分類の違いにすら鈍感であっったが、それらの分類手法の差を意識することで一段上からの視点を得られたことが実感できる。
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押切蓮介, ピコピコ少年

著者と同世代で完全にシンクロしてしまう。ゲームばっかりやっているダメ少年の自伝マンガなのだけれど、今思い返すと自分も負けないくらいダメ少年だった。