science

book

吉田寿夫, 本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本

統計処理をまじめにやらなければいけない機会がまた増えてきたので、勉強しなおしのために読んでみた。一通り統計をかじったことのある人が、思い出すために読むには適当な本。厳密な証明を省略している部分も多いが、統計を道具として使うだけならば必要十分な内容だろう。
book

松永和紀, メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学

特に食に関する話題を中心としたメディアリテラシー本で、食卓の安全学の続編的な内容。類書に比べてあまり目新しい視点はないが、毒性学の基本 (用量依存性) 、添加物の安全性、オーガニック食品のリスク (天然農薬) 、伝統食の過剰な美化など、マスメディアの報道で誤解されがちな内容がよくまとまっている。また、本書中で紹介されている食品安全情報blogも必読。
book

野口悠紀雄, 土地の経済学

日本の地価高騰を経済学の観点から分析した本。少し古い本だが内容は古くなっておらず、今でも読む価値がある。よく言われる「日本は国土面積が狭いので土地が高騰している」という論の誤りと、土地高騰の本当の原因である土地政策の失敗が見事に説明されている。また、地価高騰への対策として、土地の所有権と利用権を経済的に分離する地価インデックス債が提唱されているが、こちらも非常に興味深い。
book

ベースボーロジー 1

ベースボーロジーは野球文化學會の刊行している論文集。まずは1999年に発行された第1号を読んでみた。著者は比較的年輩の筋金入りの方が多く、"あの頃の「阪急ブレーブス」" や "外来語受容形態としての明治野球用語解説" 、 "「紀元ハ、二千六百年」下の日本職業野球聯盟" など、懐古系のコンテンツに力が入っている。このあたりはなかなか商業出版にのらないところなので嬉しいところ。また、セイバーメトリクス的コンテンツとして、"野球における統計的解析" もある。こちらは野球でよく言われ...
book

高橋久仁子, 「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム

「食べもの情報」ウソ・ホントの続編的内容。相変わらず淡々とした語り口なので読んで楽しくはないが、内容はまとも。特定のフードファイディズムに陥ることなく、普通のバランスの良い食事をとることの重要性が繰り返し述べられている。また巻末には、その普通の食事の献立例もあり。実際の商品や広告を批判している箇所で、少し調べれば特定できる内容なのにもかかわらず商品名を伏せていたりするのが謎。
book

ドナルド・A・ノーマン(著), 岡本明, 安村通晃, 伊賀聡一郎, 上野晶子(訳), エモーショナル・デザイン 微笑を誘うモノたちのために

積ん読になっていたノーマン先生の本を読んでみる。本能 (visceral) 、行動 (behavior) 、内省 (reflective) の3つのレベルに基づくデザインの見方は、今後様々なデザインを見ていく上で役に立ちそう。
book

Bruce Frey(著), 鴨澤眞夫(監修), 西沢直木(訳), Statistics Hacks 統計の基本と世界を測るテクニック

統計学の入門書なのだが、Hacksシリーズらしく、いわゆる教科書的な本よりは読みやすい。また、効果量等の基準値の具体的な数値が (少々乱暴ながら) 挙げられており,何となく感覚が掴みやすくなっているのもうれしい。後半は統計とはやや関係の薄いHackも含まれており、水増し感があるのが残念。
book

羽生善治, 伊藤毅志, 松原仁, 先を読む頭脳

先日永世名人の資格を獲得した羽生善治さんのインタビュー本。羽生さんのインタビューに対し、認知科学学者の伊藤さんと人工知能学者の松原さんが解説を加えるというスタイル。インタビューから感じられるトップ棋士の自己説明能力 (メタ認知能力) の高さは興味深い。
book

高橋久仁子, 「食べもの情報」ウソ・ホント 氾濫する情報を正しく読み取る

いわゆるフードファディズムの批判本。読んで面白い本かというと微妙だが、非常に真っ当な内容なので、勉強のつもりで読むのがよろしいかと。ほぼすべての項目に納得できるが、プロテイン批判の項目だけが少し気になった。"プロテイン" という商品名で市販されている製品数種類の宣伝チラシによれば、推奨されている一日の摂取量は6~9グラムで、タンパク質としてたいした量ではありません。その価格は、33~84円です。ちなみに、大豆製品である豆腐やきな粉で同程度のタンパク質を摂取すると、価格も20~...
comic

あさりよしとお, まんがサイエンス 11

今回のテーマはまたも宇宙船。はっきり言ってしまえばの焼き直しなのだが、掲載誌の都合や作者の趣味など色々とあるのだろう。