science

book

ベースボーロジー 1

ベースボーロジーは野球文化學會の刊行している論文集。まずは1999年に発行された第1号を読んでみた。著者は比較的年輩の筋金入りの方が多く、"あの頃の「阪急ブレーブス」" や "外来語受容形態としての明治野球用語解説" 、 "「紀元ハ、二千六百年」下の日本職業野球聯盟" など、懐古系のコンテンツに力が入っている。このあたりはなかなか商業出版にのらないところなので嬉しいところ。また、セイバーメトリクス的コンテンツとして、"野球における統計的解析" もある。こちらは野球でよく言われ...
book

高橋久仁子, 「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム

「食べもの情報」ウソ・ホントの続編的内容。相変わらず淡々とした語り口なので読んで楽しくはないが、内容はまとも。特定のフードファイディズムに陥ることなく、普通のバランスの良い食事をとることの重要性が繰り返し述べられている。また巻末には、その普通の食事の献立例もあり。実際の商品や広告を批判している箇所で、少し調べれば特定できる内容なのにもかかわらず商品名を伏せていたりするのが謎。
book

ドナルド・A・ノーマン(著), 岡本明, 安村通晃, 伊賀聡一郎, 上野晶子(訳), エモーショナル・デザイン 微笑を誘うモノたちのために

積ん読になっていたノーマン先生の本を読んでみる。本能 (visceral) 、行動 (behavior) 、内省 (reflective) の3つのレベルに基づくデザインの見方は、今後様々なデザインを見ていく上で役に立ちそう。
book

Bruce Frey(著), 鴨澤眞夫(監修), 西沢直木(訳), Statistics Hacks 統計の基本と世界を測るテクニック

統計学の入門書なのだが、Hacksシリーズらしく、いわゆる教科書的な本よりは読みやすい。また、効果量等の基準値の具体的な数値が (少々乱暴ながら) 挙げられており,何となく感覚が掴みやすくなっているのもうれしい。後半は統計とはやや関係の薄いHackも含まれており、水増し感があるのが残念。
book

羽生善治, 伊藤毅志, 松原仁, 先を読む頭脳

先日永世名人の資格を獲得した羽生善治さんのインタビュー本。羽生さんのインタビューに対し、認知科学学者の伊藤さんと人工知能学者の松原さんが解説を加えるというスタイル。インタビューから感じられるトップ棋士の自己説明能力 (メタ認知能力) の高さは興味深い。
book

高橋久仁子, 「食べもの情報」ウソ・ホント 氾濫する情報を正しく読み取る

いわゆるフードファディズムの批判本。読んで面白い本かというと微妙だが、非常に真っ当な内容なので、勉強のつもりで読むのがよろしいかと。ほぼすべての項目に納得できるが、プロテイン批判の項目だけが少し気になった。"プロテイン" という商品名で市販されている製品数種類の宣伝チラシによれば、推奨されている一日の摂取量は6~9グラムで、タンパク質としてたいした量ではありません。その価格は、33~84円です。ちなみに、大豆製品である豆腐やきな粉で同程度のタンパク質を摂取すると、価格も20~...
comic

あさりよしとお, まんがサイエンス 11

今回のテーマはまたも宇宙船。はっきり言ってしまえばの焼き直しなのだが、掲載誌の都合や作者の趣味など色々とあるのだろう。
book

西田圭介, Googleを支える技術 巨大システムの内側の世界

著者はGoogleの中の人ではないので、論文などの公開情報からGoogleの中身を推測するスタイル。Googleの柱である大規模分散ストレージの解説に多くのページが割かれており、Google File SystemのみならずBigtableやChubbyまで含めた全体像を知ることが出来る。もちろん、その上でのMapReduceを用いた分散データ処理の解説もあり。また後半のGoogleの運用コストについての章が実に面白い。Googleがコストの観点から安価なPCを用いたクラスタ...
book

データスタジアム(企画・編集), 野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス

セイバーメトリクス的な視点で2007年度の日本プロ野球の結果をみるとこうなる、という本。特に目新しい指標が提案されているわけではないが、有名どころの指標は一通り押さえられているので、セイバーメトリクス入門用にはおすすめできる。ただし、算出が面倒な指標 (Win sharesなど) の説明はかなり大雑把なので、そのあたりは専門書を併せて読む必要がある。
book

R.H.R.アンホルト(著), 鈴木炎(訳), I.S.リー(訳), 理系のための口頭発表術

近頃は何かと口頭発表をする機会が増えているので読んでみる。単純なパワーポイントの作り方にとどまらず、服装から壇上での技術まで一通りのことが押さえられている。タイトルには "理系のための" とあるが、あまり理系依存とは感じられない。各所に出てくる例題が生物学のものであるくらいか。これが素人にはややわかりにくいのが難か。