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エドゥアール・ロネ(著), 高野優(監訳), 柴田淑子(訳), 変な学術研究 1

いわゆる "イグ・ノーベル賞" 的なネタを集めた本。 本人達は至ってまじめな研究をしていてもなぜかバカバカしく見えてしまう、そんな絶妙のところを押さえている。
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犬塚則久, 「退化」の進化学

遠藤先生の本で生物学づいたので、久しぶりにブルーバックスを買ってみる。 こちらは解剖学よりは発生学寄りからのアプローチ。解剖学の知識 (特に専門用語の知識) がないと苦しいところもあるが、がっちりした内容で楽しめる。
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薬理凶室, 図解アリエナイ理科ノ教科書 文部科学省不認可教科書

いい加減いい歳なのに、三才ブックスの本を買ってみる。 内容はそこそこまともで「教科書」を名乗ることも頷けるほどなので、無理にアングラ仕立てにしなくても、と思う。
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石井裕之, 一瞬で信じこませる話術コールドリーディング

コールドリーディングとは、事前情報なしに初対面の人間の心を読む技術。占い師、霊能者が利用している技術と考えるとわかりやすい。 本書で紹介される技術のうち、いくつかは無意識のうちに使っている人も多いと思われる。 著者の主張するようにすぐに営業などに利用できるかというと少々怪しいが、少なくともこの種のインチキに引っかかる確率は大きく下げられるだろう。
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斉藤和巳, ウェブサイエンス入門 インターネットの構造を解き明かす

表題のウェブサイエンスというのは、ウェブサイトの検索ランキングの最適化、ウェブネットワークの可視化、ウェブのトピック抽出、ウェブの成長モデルの作成などの技術の総称。 各技術がそれぞれ20ページほどにまとめられているので非常に読みやすい。それでいて、そのアルゴリズムや数式が (少なくともシンプルな手法については) きちんと押さえてあるのでこの分野の入門書としては良いかもしれない。
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村上宣寛, IQってホントは何なんだ? 知能をめぐる神話と真実

"「心理テスト」はウソでした。" の著者が、今度は「知能」をテーマとして取り上げる。 IQという言葉は一人歩きしているが、実はその中身や数字の意味はあまり知られていない。様々な知能テストは何を計っているのか、そもそも知能とは何なのか、その定義がいかに曖昧模糊としたものなのかがよくわかる。また、意外と知られていないかひどく誤解されている、IQの数値の統計的な意味もよく理解できる (実は私も誤解しており、大昔の比率IQが今でも使われていると思っていた) 。 また、遺伝や年齢、人種...
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青木峰郎, Rubyist Magazine 出張版 正しいRubyコードの書き方講座

るびまの青木さんの連載をまとめたもの。 ある程度Rubyを理解している人がステップアップするにはうってつけの一冊。実際のコードを添削する構成なので、多くの人が陥りやすい間違いを効率的に学ぶことが出来る。特に、あまり文書化されることがない暗黙のルールが多く示されているのは嬉しい。 相変わらずの青木節も、ファンにはたまらない。おすすめ。
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保木邦仁, 渡辺明, ボナンザVS勝負脳 最強将棋ソフトは人間を超えるか

2007年3月に公開対局が行われたボナンザと渡辺明竜王。その当事者達がコンピュータ将棋を語る。 学生時代になどを愛読していた人間として、ついに曲がりなりにもタイトル保持者といい勝負をするところまで到達したというのは感慨深い。 一般向けの新書なのでボナンザのアルゴリズムの詳細は省略されているが、そのエッセンスは十分に堪能できる。おすすめ。
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島本和彦, ワンダービット(2)

1巻に比べるとちょっとパワーダウンしているか。 とはいえ、中にはキラリと光る良作があるのも確か。「ポットちゃん」に続く童話シリーズ (?) の「みっつの友情」や、島本全開の「怪奇カメムシ男」あたりはお勧めできる。
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E.F.シューマッハー, 小島慶三(訳), 酒井懋(訳), スモール イズ ビューティフル 人間中心の経済学

1973年に出版された本だが、今読むとまるで予言書のよう。工業資源、特に石油についての指摘は今の時代にもそのまま当てはまる。 さらに、「組織と所有権」と題して論じられる大規模組織や公共機関のあり方なども学ぶことが多い。 文庫なのに1,200円もするのはアレだが、内容は間違いなくお勧めできる。