sf

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浅暮三文(著), 東浩紀(著), 円城塔(著), 小川一水(著), 瀬名秀明(著), 谷甲州(著), とり・みき(著), 長谷敏司(著), 森岡浩之(著), 大森望(責任編集), NOVA 3 書き下ろし日本SFコレクション

NOVAもようやく3冊目。SFかよくわからない作品をあえて取り込んだ前作とは異なり、今回はいかにもなSFが中心。円城塔だけはいまいちよくわからないが。 今回は森岡浩之の "想い出の家" が好み。これでもう少し叙述トリック的な作りこみがしっかりしていればと思うが、小道具を含む設定や微妙な後味の悪さは完璧。 浅暮三文は本物の天才ではないかと思い始めた。この古き良きバカSF感。素晴らしい。
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谷口ジロー, 東京幻視行 谷口ジロー傑作短編集2

谷口ジローの1980年代の作品を中心に編集したもの。 この頃は自身の可能性を模索するためか、様々なジャンルに手を出していたこともあり、あまり統一感はない。ハードボイルド劇画、SF、スポーツなど、最近とはだいぶ作風が違うものも多いので、にわかファンが読むものでもない気がする。それでも、作品の所々に最近の作品の下敷きとなったと思える部分を探すのは楽しい。
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Boichi, Boichi 作品集 HOTEL

以前読んだアンソロジーに収録されていた短編 "全てはマグロのためだった" が良かったので読んでみたのだが、少し異なる作風のものが多く、あまり好みに合わなかった。 比較的好みなのは "PRESENT" あたりか。やはり私はベタなSFと馬鹿SFが好きらしい。
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日下三蔵(編), 大森望(編), 超弦領域 年刊日本SF傑作選

虚構機関に続く、年度別アンソロジーの2008年度版。今回も打率が高い。 中でも伊藤計劃の "From the Nothing, With Love" はまさに王道SFで私の好み。序文で氏の訃報を知ったが、残念でならない。 津原泰水の "土の枕" や最相葉月の "幻の絵の先生" など、SFと言って良いのか分からない作品も多いが、その質は間違いない。 また、Boichiのマンガは掘り出し物。今まで完全に見逃していた。
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東浩紀(著), 恩田陸(著), 法月綸太郎(著), 宮部みゆき(著), 神林長平(著), 倉田タカシ(著), 小路幸也(著), 新城カズマ(著), 曽根圭介(著), 田辺青蛙(著), 津原泰水(著), 西崎憲(著), 大森望(責任編集), NOVA 2 書き下ろし日本SFコレクション

NOVA 1の続編、といいつつ著者陣は一新。もちろん、今回も全て書き下ろし。 前作と比べると "バベルの牢獄" や "夕暮にゆうくりなき声満ちて風" など、実験的作品も多くばらつきが大きい印象。東浩紀や宮部みゆきといった、あまりSF作家として認知していなかった作家が入っているのも面白い。 恩田陸の "東京の日記" が私好み。
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山本弘, 去年はいい年になるだろう

山本弘の私小説的要素の強いSF作品。 氏の小説が初めてという方には何が何だかという部分もみられるが、や時代からのファンである私には共有できている楽しさがある。また、氏の内面を吐露する場面などファンでなければ赤面してしまうようなものが多いが、これもこの作品の味だろう。 もちろん、SF部分の出来は素晴らしく、センス・オブ・ワンダーを十分に堪能させてくれる。
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山本弘, MM9

山本弘の怪獣愛をそのまま形にした小説。 ベタなキャラクタやストーリーでありながら、SF的な裏付けをきちんとつけているあたりが山本弘らしい。 Webミステリーズで続編が連載されている様なので、こちらも出版が楽しみ。
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山本弘, 地球移動作戦

何というか、真っ当なSF。衝突が予想される謎の新天体を地球を動かしてかわすという直球ど真ん中なネタが清々しい。それでいてきちんとしたハードSFとして成り立っているのはさすが。 また、本作は山本版大甲子園とも言える作品で、そこかしこに見覚えのある名前があるのもファンには嬉しいところ。古くはラプラスの魔やサイバーナイト、時の果てのフェブラリーまで元ネタとなっているので、探してみるのも一興。
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ジョージ・フリードマン(著), 櫻井祐子(訳), 100年予測 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

20年以上の長期スパンでの世界情勢を予測したもの。過去の歴史をそのタイムスケールで見てみると、未来が現在の空気とは大きく異なる方向に動くということには異論の余地がない。 日本、トルコ、ポーランドが長期的には大きな力を持つという著者の予測はそこまで突飛なものとも思えないが、基本的にはSFだと思っていた方が良いだろう。 一部、宇宙プラットフォームを活用した戦争のくだりなどはなどは、さすがにSFとしても筆が滑りすぎているように思う。
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あさりよしとお, アステロイド・マイナーズ (1)

あさりよしとおの宇宙マンガ。まんがサイエンスで貯め込んだ知識をここぞとばかりに大放出。 連作形式だが、どれも当たりばかり。宇宙開発にかかる膨大なコストという裏テーマが感じられ、単に荒唐無稽なSFに終わっていないあたりがさすが。おすすめ。