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池上彰, 知らないと恥をかく世界の大問題

池上彰の著作を読むのは初めて。新書一冊で世界経済から各地の軍事問題、資源争いに年金問題までを扱っているので、当然内容は薄め。2009年の出版ということもあって民主党推しであるが、その点を除けばトンデモ度は低め。
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野口悠紀雄(監修), 「超」整理手帳 スタンダード2013

今年も変わらず「超」整理手帳。手帳ホルダの材質は2012と同じで、やや青みがかった黒。カラーバリエーションは無し2012では独立して挟み込まれていたカンガルーホルダが、手帳ホルダと一体型にスケジュールシートのデザインも少し変更され、フォントは控えめ、色も淡め。また右端の塗り潰しが復活した毎年すぐ切れるペンホルダの材質は、今年も変化ない様に見えるゼブラルーラーに代わり、少し固めの定規兼分度器が付くようになった。ゼブラルーラーと異なり、ラフに扱っていると割れそうな材質ではある今年...
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KAPPA, 東大卒医師が教える科学的「株」投資術

"EBI (Evidence-Based Investment) のすすめ" の管理人として名を上げた (現在は閉鎖され、blogサイトの "豊かで、健康で、活動的な、人生を目指して:春山昇華" に移行している) KAPPA氏の著作。高尚な理論は横に置き、儲かる投資方法とは何かだけを追求する姿勢が心地良い。内容はアクティブ投資寄りで、効率的市場仮説の前提となっている合理的な投資家が現実と乖離していることを検証し、そこで裁定取引を狙うスタイル。タイトルに "科学的" と入ってい...
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河合幹雄, 終身刑の死角

死刑について論じる本は多いが、こちらは仮釈放なしの終身刑がテーマ。超党派の議員連盟である "量刑制度を考える超党派の会" が仮釈放なしの終身刑を主張しているが、多分に感情的な主張であり、法学的にも刑務所の実運用的にも多くの難題を抱えていることがわかる。特に、仮釈放なしの終身刑となった受刑者はもはや怖いものがなくなるため刑務所内の統制がとれなくなる危険性は指摘されるまで気づきにくいところ。単に法学的な点から論じるだけでなく、刑務所内での処遇や他の制度との兼ね合い、受刑者の更生、...
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Magic: The Gathering – Duels of the Planeswalkers 2013 Expansion

Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2013の拡張セット。Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2013 Expansion。追加デッキはReturn to Ravnica/RTRのプロモーションも兼ねたと思われる5種まだプレイ時間が短く断言できないが、比較的強そうなのは、The Azorius SenateのAura Servants (白青オーラ)...
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佐藤義典, 新人OL、つぶれかけの会社をまかされる

ライトノベル仕立てのマーケティング入門書。いくらライトノベルとはいえストーリーはご都合主義が過ぎる気もするが、肝心のマーケティング部分はそれほどトンデモでもなくマトモな内容。数十分で気軽に読める本としては悪くない。
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毛利衛, 日本人のための科学論

現在は日本科学未来館館長を務める毛利衛による科学論。なぜ日本で科学技術が発展したのかにはじまり、科学者がどうあるべきかまで、宇宙飛行士と言うよりも科学者としての熱い思いを感じる事ができる。ポジショントーク的な部分もあるがご愛嬌の範囲。
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泉康子, 新装版 いまだ下山せず!

1986年の年末から翌年正月にかけて槍ヶ岳を目指して遭難したのらくろ岳友会のパーティを巡るノンフィクション。のらくろ岳友会の結成メンバーの一人でもある著者はこの山行には参加しておらず捜索側にまわることとなったが、その一人称視点が非常に生々しい。遭難直後の混乱、錯綜する情報に踊らされる捜索隊、長期戦となった後の地道な聞き取り調査、捜索方針の相違が引き起こす会の分裂、すべてが遭難の現実を突きつけてくる。遭難者側に比べ捜索側の視点で綴られた記録は少なく、その意味でも貴重。唯一残念な...
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安西洋之, 中林鉄太郎, 「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力

ローカリゼーションの重要性を説くビジネス書。前半はマルちゃん (東洋水産) 、キッコーマン、TOTOといった成功事例分析が中心。それぞれのエピソードは読み物としては面白いが、失敗事例との比較が不十分なので、説得力が不十分。後半はもう少し高い視点を目指しているものの、成功事例から適当にそれらしい要素をチェックポイントとして抜き出した様にしか見えず、普遍的な知識となっていない。
comic

郷田マモラ, モリのアサガオ 新人刑務官と或る死刑囚の物語 (5) (6) (7)

7巻の完結編までまとめ読み。刑務官である主人公の視点で死刑制度の意味を考えるという構成は良いのだが、最後は感情的な結論に至ってしまっていたり、本来は死刑制度とは切り離して考えるべき冤罪問題をないまぜにしてしまったりしているのがやや残念。