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鷲田小彌太, 大学教授になる方法

ユーモアあふれる文体からネタ本かと思いきや、意外に実用的な内容。書かれたのはバブル末期の1991年、もちろん国立大学改革など議論にも上っておらずポスドク問題も顕在化していない頃なので、まだ大学教授がおおらかな職業であった時代を感じる。また事例が人文系に偏っており、理工系は事情が異なるようにも思う。それでも大学教授という職業をモラトリアムという視点から見つめるというのは新鮮であり、今でもそれを志向する人は読む価値がある。大学教授の給与などが包み隠さず書かれているのも良い。
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吉本浩二, 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ (2)

ついにあのステーション・バー村田が登場。ネットではこの怪人のインパクトばかりが喧伝されているが、こづかい0円男や書斎を失い車で過ごす夫など他の登場人物もなかなか。1巻からの異常なポジティブさも健在
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橘玲, 人生は攻略できる

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法や幸福の「資本」論を若い読者向けに焼き直したもの。人生の攻略ときいて最初に思い浮かぶお金や仕事の話を中心に、現代の進化論に基づく幸福になるための情報がコンパクトに詰め込まれている。すでに氏の著作を読んでいる読者には目新しい情報が少ないかもしれないが、初めて手に取る読者の一冊目としてはお勧めできる。
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ヤニス・バルファキス(著), 関美和(訳), 父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

ギリシャの元財務大臣による経済入門書。子供向けと言うほどやさしくはないが、大人が経済の歴史を整理するのには良いと思う。著者の予想する市場社会の未来図は興味深い。自動化、競争がコストを押し下げ、また自動化を進めるロボットは消費者ではないため需要をも押し下げる。その結果として価格が製造コストを賄えない水準まで押し下げられる。こうして起きる経済危機はマルクスの予想とも一致する。第二次世界大戦中の捕虜収容所で生まれた経済の事例も興味深い。腐らず長持ちし持ち運びが簡単でその魅力が共有さ...
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田村正之, 人生100年時代の年金戦略

かなりポジティブな年金解説本。年金のシステムに肯定的なこと自体は良いのだが、年金を擁護するために無理な理屈が見られるのはいただけない。例えば、厚生年金保険料の事業主負担分を無視し (事業主の視点から見れば加入者負担も事業主負担も人件費で変わりない)、その多くを加入者が支払っている税金からの支出もどこかから湧き出してきたかのように扱って、 "払った以上に多くもらえる" と述べるのは詭弁と感じる。またこちらも意図してかはわからないが、各種制度の良いところしか書いていないのも不親切...
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山崎俊輔, 大人になったら知っておきたいマネーハック大全

大全という大仰なタイトルだが小ネタが中心。節約ひとつとっても王道である固定費の削減にはほぼ触れず、変動費の削減ばかりを小手先でいじっている印象。昨今の流行を反映してか幸福度にも言及しているが、参考文献などはなし。
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長谷川高, 家を買いたくなったら 令和版

この分野のロングセラー本の改訂版。最近の住宅価格の高騰を反映してか、人口動態やマンション供給戸数から需給バランスの変動を予測し、中長期的には住宅の価格は下がっていかざるを得ないでしょう。と述べているのは、この種の本としては良心的。その他の部分も極めて真っ当な内容で、最初に読む教科書としてもお勧めできる。
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忍者増田, 忍者増田のレトロゲーム忍法帖

忍者増田が語るレトロゲームの話というだけで同じ時代を生きた読者は買う価値がある。特別対談も高橋ピョン太、横山裕一、ほえほえ新井とツボを抑えた人選。もちろん後半半分は期待通りのウィザードリィの話。ファミコン版だけではなく外伝も押さえているなど抜かりない。
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天原, 33歳独身女騎士隊長。 (2)

33歳独身女騎士隊長。にまさかの続編。3年ぶりの単行本だがこのくらいのペースで細々と続いていくのが良いと感じる。
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朝倉康心, 麻雀の失敗学 ミスから生まれた必勝戦術

麻雀に限らず、トッププロが自らの失敗を振り返る本は貴重。単純な手順ミスはさすがに少ないが、基準に沿った押し引きなどの人間が不得意な分野はやはりトッププロでもミスをするもの。聴牌料の押し引き基準など、参考になる資料も多い。