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山本弘, 神は沈黙せず (上)(下)

神という大きなテーマあり、超常現象あり、ハードSFとしての科学あり、そしてもちろんエンターテイメントありで、間違いなくおすすめできる作品。 膨大な量の超常現象を盛り込んだ構成は、さすがと学会会長といったところ。それらの超常現象も、現実のものと架空のものが境目なく取り込まれており、一気に作品世界に引き込まれる。 なお本作は2010年代を舞台としているため、いくつか前置きなしの新語が登場する。それらの解説は、山本弘のSF秘密基地内の解説ページで行われているので、併せて読むのがおす...
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渡辺千賀, ヒューマン2.0 web新時代の働き方(かもしれない)

テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らしで有名な浦辺千賀さんの作品。 現在のシリコンバレーの空気を伝える本だが、そのうちのいくらかはいずれ日本にも伝わってくるのだろうと感じる。 大量の脚注は内容は面白いのだけれどちょっとテンポがそがれる感じなので、構成を工夫して欲しかった。
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パオロ・マッツァリーノ, つっこみ力

パオロ氏お得意の統計漫談。 今回は「つっこみ力」というテーマが据えられているが、やってることは今までと変わりない。相変わらず軽快な語り口も見事。
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とつげき東北, 超・入門 科学する麻雀

前著、科学する麻雀を遙かに読みやすく再構成したムック。もちろん、新たな研究成果も追加されており、特に最終章で述べられる強者間の実力差の要因は必読。リーチ率、二副落率、リーチ時または二副時以外の放銃率、の3つのパラメータが大きな要因であるとの結論。ロジカルに麻雀を突き詰めたい向きには間違いなくおすすめできる。 また、前著の科学する麻雀に対する賛否両論がまとめられているが、麻雀プロからのお粗末な批判コメントと的外れな指摘は非常に残念に思う。
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泉昌之, ダンドリくんBlack

風俗版のダンドリくん (厳密にはダンドリくんとダンドリくんBlackは別人だけど) 。 一応ダンドリらしきことはしているが、テーマがテーマだけに、ダンドリくんの続編として読むと違和感がある。別の作品として割り切って読むなら十分に面白い。
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高部正樹, 傭兵の誇り 日本人兵士の実録体験記

著者の高部氏は、「最強の男になる」という夢を叶えるために、日本を飛び出し海外の戦場で傭兵として戦っている方。 傭兵が (少なくとも先進国の人間から見ると) 割に合わない商売というのは軍事に詳しい人には広く知られていると思うが、その実際の数字を見ると愕然とする。男達がどのような思いで傭兵となることを選んだのか、傭兵と正規軍の関係、傭兵同士の信頼関係など、現場の人間でなければ書けないエピソードの数々。繰り返されるマスコミ批判が少し鼻につくが、これが現場の人間達の偽らざる気持ちなの...
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安田理央, 雨宮まみ, エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること

エロ本文化の衰退と、アダルトビデオの進化の2つのテーマが柱。最後にインターネットの影響と次世代アダルトメディアも語られているが、こちらは少し踏み込みが浅いか。 特に、サブカルチャーの受け皿であったエロ本が、裏モノ雑誌に食われていった経緯が興味深い。
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泉昌之, 芸能グルメストーカー

泉昌之名義の本を読むのは久しぶり。谷口ジローとのコンビの作品とはまた違った作風だが、やっぱり食べ物からは離れられない :-) 女性芸能人の行きつけの店を訪れるレポートマンガなのだけど、その細かいところにこだわり続けるところはいつみても面白い。ただし、あまり芸能界に詳しくない自分にはちょっとわからないネタも。
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あさりよしとお, まんがサイエンス 10

ついに大台に到達。5年の科学でリアルタイムに読んでいた頃からは20年近くになると思うと感慨深い。 今回は明らかに初期の作画のものが混ざっていたり (初出一覧を見ると1990年頃の作品まで混ざっている) 、過去に扱ったネタの焼き直しのようなものが含まれていたり (望遠鏡ネタ) もするが、クオリティは高い。おすすめ。
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米田正明, 電話はなぜつながるのか 知っておきたいNTT電話、IP電話、携帯電話の基礎知識

IP屋さん (自分を含む) には回線交換な電話の仕組みを実は知らないという人も多いと思われるが、そんな人が回線交換の基礎知識一式を学ぶには最適。物理レイヤから音声符号化まで、一通り触れることができる。噛んで含める様な解説もわかりやすい。 ただし、携帯電話についてはあまり詳細な記述があるわけではないので注意。あくまでもNTTの固定電話 (とIP電話) の基礎を学びたい人向け。