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稲森謙太郎, 知られざる特殊特許の世界

出張帰りの新幹線の中で読破。 トンデモな特許を笑うだけの本かと思っていたら、意外とマトモな特許解説が行われていて驚く。特殊特許の合間に挿入されるコラムは、特許の基本を身につけるのに十分なレベル。もちろん、ネタ的にも十分笑えるものが揃っているので、そういった向きにもおすすめできる。
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平林純, 理系のためのプレゼンのアイディア

今回の出張の一番の目的は国際会議での発表だったわけだが、その資料作りの際に購入した一冊。 読みやすい上に、実用的なアイディアが満載。発表資料の作り方はもちろん、プレゼン中のノートPCの活用方法などが非常に参考になる。おすすめ。 本書で紹介されているノートPCの2画面出力を利用する方法は実際に使ってみたが非常に便利。助けられた。
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ロバート・A・グーラ, 山形浩生(訳), 論理で人をだます法

「だます法」という題になっているが、実際にだますテクニックを学ぶという本ではないと思う。屁理屈な論理を類型化して笑い飛ばしたり、またそれらのパターンを知ることで検出できるようにするための本。 翻訳は山形氏なので上々。
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サイモン・シン, 青木薫(訳), 暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで

フェルマーの最終定理のサイモン・シンの作品。 古典的な換字式暗号から量子暗号まで、暗号の歴史とそれにまつわるドラマのわかりやすい解説。前作同様、複雑な数式なしで読める構成は見事。おすすめ。
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デイジー・ウェイドマン, 幾島幸子(訳), ハーバードからの贈り物

ハーバード・ビジネススクールの学期最後の授業では、伝統的に教授自身の経験に基づいたアドバイスを与えるという風習があるらしい。そんな教授陣のトーク15本をまとめた本なのだが、これがそこらのビジネス本より遙かに面白い。 リーダーシップ教育のエキスパートであるだけでなく、一流のビジネスマンであり、さらに充実したプライベートを持つ教授陣のエピソードからは、いわゆる教科書的なアドバイスではなく、血の通ったメッセージが伝わってくる。おすすめ。
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初音舞, 梶本琢程, 世界チャンピオン初音舞の世界に勝つ 麻雀国際公式ルール戦術本

買ってから1年ほど積まれたままになっていたが、その1年間に国際公式ルール (ちゅんま) を扱った本は全く出ていないので、いまだに最新刊。 国際公式ルールの基礎から戦略まで一通り押さえられているので一冊目としてはおすすめできる (というより他に類書が少ないのであまり選択の余地がない) 。 戦略面で本当に上達しようと思うとこの次の本が見あたらないところが少し悲しい。似非トーライの中国麻将カテゴリなどのwebを追うのが最先端か。
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架神恭介, 君主論太郎, 辰巳一世, 完全覇道マニュアル はじめてのマキャベリズム

マキャベリの名著であるの入門書だが、小学校をのクラスの覇権争いを題材にしているのが面白い。天下取りといっても、その実は小学校の勢力争いの延長ということだろう。 文章が軽めの上、短めのストーリーに区切られているのでサクサク読める。しかしながら、40人のクラスでの覇権争いを描く都合上、序盤から一気に多数の勢力が登場するので、公式サイトにある5年3組勢力図を手元に置きながら読むのがおすすめ。 また、覇権争いの合間に挿入される、ふくろう先生の解説が殺伐としていて実に良い。聞き手のはな...
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スー・シェパード, 赤根洋子(訳), 保存食品開発物語

乾燥、塩、酢漬けといった伝統的な方法から、冷凍、フリーズドライといった最新の方法まで、保存食品の歴史を網羅した本。あまり日本人になじみのない食品も多く収録されており、雑学本として楽しめる。 ほぼ時系列順に並んでいるのを通して読むと、食糧の保存こそが文明の源であることを強く感じる。
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橘玲, マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで

まずはマネーロンダリングの実例であるカシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件の具体的な事例の解説。その資金の流れは複雑に入り組んでおり、理解するのに一苦労。 むしろマネーロンダリングの事例よりも面白いのが、マネーロンダリングに関連する各種のカラクリの解説。コルレス銀行・コレスポンデント口座、SWIFT、プライベートバンクの歴史、ハワラなどの解説はおすすめできる内容。
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西林克彦, わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

スキーマに引きずられてしまうことで間違った「わかったつもり」になってしまう、というのには同意。ただし、これは読み手にばかり注意を促す問題ではなく、書き手の側でミスリードをしない書き方をする方が重要だとは思う。 また、読みを深めるための具体的なテクニックにやや乏しいのが残念。文中では、補助として表を作ったり文章構造を図示したりといった方法をとっているが、これといった汎用的な方法が示されていないように思う。