book 小島健一, 社会科見学に行こう! 首都圏外郭放水路に始まり、高エネルギー加速器研究機構、核融合科学研究所など、男のロマンを感じさせる見学先の数々に心躍る。一つ一つの施設の紹介は10ページにも満たず、また大きめの写真が多いので、あまり読み応えはない。そういった施設の紹介そのものよりも、社会科見学という行為自体への誘いという位置づけなのだろう。そして、その取り組みは成功している。また、さりげなく開田夫妻が参加しているのもポイント。 2008-09-22 book
comic 黒田硫黄, 茄子 (1) (2) 茄子 (だけ) を共通のテーマにした短編集。映画化もされた "茄子 アンダルシアの夏" しか知らなかったが、他にも読み直したくなる作品が多い。特に、高間や高橋が登場する作品群はどうということのないお話なのだが、それが良い。 2008-08-20 comic
book 中野京子, 怖い絵 (1) (2) たまには売れ筋の本も読んでみる。主に16世紀以降の西洋絵画の背景を紹介することで、その隠れた怖さというものを紹介する試み。"恐い" といっていいのかどうかわからないものも混ざっているが、読み物としては文句なく面白い。素人の読者を想定した解説文なので、いわゆる絵画の見方がわからなくても大丈夫。今まであまり絵画に興味のなかった方の入門書としてもおすすめ。 2008-07-20 book
book サルマルヒデキ, 東京鉄塔 ALL ALONG THE ELECTRICTOWER 毎日送電線を書籍化したもの。何というか "わかっている" 人の本なので、鉄塔ファンには間違いなくお勧めできる。写真もツボを押さえており、にこにこ角度を中心に結界中から見上げるアングルまで、鉄塔の魅力を完璧に引き出している。銀林先生をはじめとする先駆者へのリスペクトが感じられるのも好印象。 2007-10-02 book
book 野地秩嘉, エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた を文庫化したもの。版画家エッシャーの人生を扱ったものではなく、エッシャーの作品に人生を左右された男達を追ったノンフィクション。エッシャーのコレクションを購入するために7億円の借金を負った男、150万部を売り上げる少年マンガ雑誌の表紙にエッシャーを掲げた男、エッシャーの展覧会を開催するために世界を駆け回った男。 2007-05-05 book
movie 明日へのチケット 今日は一日だけ夏休みをとることにした。プレーオフと日本シリーズのためにわざと夏休みをとらずに温存していたのだが、マリーンズがレギュラーシーズンで敗退したので宙に浮いていたのだ。そんなわけで映画を観に行く。渋谷シネ・アミューズで上映中の明日へのチケット。ローマへ向かう一本の列車の中で起こる三組の物語を、エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチの三監督が描く。公式ページではオムニバスではなく共同長編とされており、三つのエピソードは、ほぼ全行程を同乗するアルバニア人... 2006-10-30 movie
book ドゥニ・ゲージ(著), 南条郁子(翻訳), 藤原正彦(監修), 数の歴史 読み終わるまで気付かなかったが、監修は最近話題の藤原正彦。数が生まれてから近代数学に至るまでの流れを俯瞰できる。特に、数の記録と計算の間のギャップが埋まるまでのくだりは実に興味深い。また、図版の美しさは特筆もの。これを眺めているだけでも幸せな気分になれる。お勧め。 2006-05-11 book
comic 久住昌之, 谷口ジロー, 散歩もの あののコンビの新作。普通のサラリーマンが街を散歩するだけの漫画なのだが、実に良い。少々ボリュームが少ないのだけが残念だが、そこは同じ散歩をテーマにしたと併せて読んでいただきたい。お勧め。 2006-04-09 comic
book 藤原和博, 小川洋子, 世にも美しい数学入門 最近は工学的な仕事ばかりで数学からは離れてしまっている、そんな私に数学の美しさというものを思い出させてくれた。対話形式でサクサク読める上、特に数学の前提知識なしでも楽しめるのでお勧め。 2006-01-27 book
book 麻雀博物館(編), 野口恭一郎(監修), 麻雀の歴史と文化 麻雀博物館図録 長らく絶版になっているをベースにした図録。気が付けば前作から6年も経っているわけで、新たに加わったコレクションも多い。麻雀文化を深く知る上で有益なのはもちろんのこと、質量ともに十分な写真は純粋に眺めているだけでも楽しめる。福禄寿牌や宮廷献上品の翡翠牌などは、資料価値を超えて、美術品として鑑賞できるレベルに達している。またいつ絶版になるともしれないので、愛好家ならば即購入するべき。装丁も上々であり、買って損はない。 2005-11-20 book