art

book

サルマルヒデキ, 東京鉄塔 ALL ALONG THE ELECTRICTOWER

毎日送電線を書籍化したもの。何というか "わかっている" 人の本なので、鉄塔ファンには間違いなくお勧めできる。 写真もツボを押さえており、にこにこ角度を中心に結界中から見上げるアングルまで、鉄塔の魅力を完璧に引き出している。銀林先生をはじめとする先駆者へのリスペクトが感じられるのも好印象。
book

野地秩嘉, エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた

を文庫化したもの。版画家エッシャーの人生を扱ったものではなく、エッシャーの作品に人生を左右された男達を追ったノンフィクション。 エッシャーのコレクションを購入するために7億円の借金を負った男、150万部を売り上げる少年マンガ雑誌の表紙にエッシャーを掲げた男、エッシャーの展覧会を開催するために世界を駆け回った男。
movie

明日へのチケット

今日は一日だけ夏休みをとることにした。プレーオフと日本シリーズのためにわざと夏休みをとらずに温存していたのだが、マリーンズがレギュラーシーズンで敗退したので宙に浮いていたのだ。 そんなわけで映画を観に行く。渋谷シネ・アミューズで上映中の明日へのチケット。 ローマへ向かう一本の列車の中で起こる三組の物語を、エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチの三監督が描く。公式ページではオムニバスではなく共同長編とされており、三つのエピソードは、ほぼ全行程を同乗するアルバニ...
book

ドゥニ・ゲージ(著), 南条郁子(翻訳), 藤原正彦(監修), 数の歴史

読み終わるまで気付かなかったが、監修は最近話題の藤原正彦。 数が生まれてから近代数学に至るまでの流れを俯瞰できる。特に、数の記録と計算の間のギャップが埋まるまでのくだりは実に興味深い。 また、図版の美しさは特筆もの。これを眺めているだけでも幸せな気分になれる。お勧め。
comic

久住昌之, 谷口ジロー, 散歩もの

あののコンビの新作。普通のサラリーマンが街を散歩するだけの漫画なのだが、実に良い。少々ボリュームが少ないのだけが残念だが、そこは同じ散歩をテーマにしたと併せて読んでいただきたい。お勧め。
book

藤原和博, 小川洋子, 世にも美しい数学入門

最近は工学的な仕事ばかりで数学からは離れてしまっている、そんな私に数学の美しさというものを思い出させてくれた。 対話形式でサクサク読める上、特に数学の前提知識なしでも楽しめるのでお勧め。
book

麻雀博物館(編), 野口恭一郎(監修), 麻雀の歴史と文化 麻雀博物館図録

長らく絶版になっているをベースにした図録。気が付けば前作から6年も経っているわけで、新たに加わったコレクションも多い。 麻雀文化を深く知る上で有益なのはもちろんのこと、質量ともに十分な写真は純粋に眺めているだけでも楽しめる。福禄寿牌や宮廷献上品の翡翠牌などは、資料価値を超えて、美術品として鑑賞できるレベルに達している。 またいつ絶版になるともしれないので、愛好家ならば即購入するべき。装丁も上々であり、買って損はない。
book

東京都写真美術館(編), ファミリーコンピュータ 1983-1994

ファミコン直撃世代にとってはたまらない一冊。 いわゆる図録仕立てで、ファミコン関連のソフトやハードの写真と関係者インタビューを中心に構成されている。もちろん英訳付き。 なお、ファミコンの全ソフト1252本を完全収録というふれこみだが、その大半はパッケージ写真のみで画面写真どころか一行コメントすらないので、その手のものを期待すると裏切られる。
movie

父、帰る

新宿武蔵野館で、 "父、帰る" という昨年のヴェネチア国際映画祭グランプリという作品を観てきた。 序盤から唐突なストーリーに置いていかれ、謎の大半は謎のまま突然終わりを迎えた。ひっかかるところはたくさんあるのだけれど、後味は悪くなく、ただ残された謎への興味が広がるのが不思議。
book

ドゥーガル・ディクソン, ジョン・アダムス, フューチャー・イズ・ワイルド

人類が滅びた後の地球の生物を美しいCGで描いた本です。といっても、単なる想像ではなく、きちんと科学的な裏付けがある想像というのが売りです。fukumotoは生物関係は素人なので、どこまで正しいものか (もしくはトンデモな本か) 分かりかねますが、純粋にSFとして読んでも十分に楽しめる本です。