biography

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大槻ケンヂ, サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法

大槻ケンヂの自伝的なもの。これを読んでサブカルで食えるようになるかというと疑わしいが、エッセイとしてみれば良質。新書一冊で出た結論が、サブカルで食うのに必要なのは実家と月15万という身も蓋もない内容。素晴らしい。
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牧野武文, ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男

ゲームファンなら知らない人はいないあの横井軍平の伝記。遺したおもちゃやゲームを通して横井の生涯を描く。執筆時点で既に故人となっていたことや、本人があまり私的な文書を残していなかったこともあり、各場面での横井の心情を憶測だけで描いているような箇所があるのが気になる。それでも、横井の仕事をきちんとまとめた文書が少ない中で非常に貴重な資料といえる。
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水野俊哉, 幸福の商社、不幸のデパート 僕が3億円の借金地獄で見た景色

水野俊哉がIPO寸前まで行ったベンチャー企業を転かした時の体験談。一人称視点の自伝的な構成で、当時の経営者の心理がダイレクトに伝わってくる。一方でどん底の時期から7~8年が経過していることもあり、当時の自分を客観視した上で選択の失敗を分析できている点も良い。借金を抱えてしまった際の対処方法にも触れられているが、断片的な内容でしかないので、そのあたりを期待する人は他の専門書を併読したほうが良いだろう。
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たかや健二, ぼくの藤子スタジオ日記

ぼくの藤子スタジオ日記。"3D甲子園 プラコン大作" や "かっとび! 童児" などの連載で活躍する傍ら、藤子プロのチーフアシスタントも務めていたたかや健二による懐古漫画。そこここから藤本・我孫子両先生への憧憬が感じられると共に両先生のお人柄が感じられるのが好印象。また当時のコロコロコミック読者には懐かしい名前が次々と出てくるのも嬉しい。
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千葉ロッテマリーンズ変革の300日 プロ野球を変えたキーマンの証言

今シーズンは藤岡貴裕の獲得以外に明るいニュースが無かったので、過去の栄光に浸ってみる。2006年の春に出版された御祝儀本のため、第2次ボビー政権2年目の一番良いところだけを扱っている。基本的に良いことしか書かれていないので、瀬戸山代表までまるで善人のように見えてくる。本当は2006年シーズン後の凋落の原因の方が面白そうではあるが、さすがに出版してくれるところはなさそうか。
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中村計, 甲子園が割れた日 松井秀喜5連続敬遠の真実

松井秀喜の5打席連続敬遠を扱ったドキュメンタリー。松井本人を含む多くの関係者へのインタビューを敢行した労作。あまり白黒を付けようというものではなく、インタビューが中心。当事者だけではなく、もう一歩進んで高野連あたりまで踏み込んで欲しかった。
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落合福嗣, フクシ伝説 うちのとーちゃんは三冠王だぞ!

コアな野球ファンなら知らない人はいない落合監督のご子息、福嗣君の処女作。週刊プレイボーイに連載されていたコラム "落合福嗣の腹式呼吸" をまとめたものに加え、落合博満監督や信子夫人との対談や過去のエピソードも山盛り。ファンならぜひ。
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押切蓮介, ピコピコ少年

著者と同世代で完全にシンクロしてしまう。ゲームばっかりやっているダメ少年の自伝マンガなのだけれど、今思い返すと自分も負けないくらいダメ少年だった。
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小島英俊, 文豪たちの大陸横断鉄道

夏目漱石、永井荷風、里見弴、林芙美子、横光利一、野上弥生子といった文豪達が残した紀行文から当時の大陸横断鉄道の様子を辿ろうという企画本。面白くないわけがない。
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上村一夫, 菊坂ホテル

かつての本郷菊富士ホテルを舞台に、竹久夢二、谷崎潤一郎を中心とした文人達を描く。上村の描く女性の艶っぽさは出色。