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施川ユウキ, バーナード嬢曰く。

読書をテーマにしたマンガ作品なのだが、読書家ぶりたい浅い読者を中心に持ってきたところが実に秀逸。それでいながら、本当の読書家の気持ちもさり気なく押さえているのもポイント。おすすめ。
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南信長, マンガの食卓

古今東西のマンガ作品を "食" のテーマで括ってまとめたもの。もちろん、単行本一冊ですべての食マンガを網羅することはできないのだが、主要な食マンガの流れはきちんと押さえられている。巻末には作品索引がつけられているのも嬉しい。
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片山ユキオ(著), 東百道(朗読協力・朗読原案), 花もて語れ (1) (2) (3) (4)

朗読というマイナーなテーマに挑んだマンガなのだが、これが面白い。様々な文芸作品の読み解きが物語の柱となっており、謎が明らかとなった際のカタルシスが素晴らしい。今まで自分がいかに適当に本を読み流していたかを思い知らされる。
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赤田祐一, ばるぼら, 消されたマンガ

様々な理由で封印された作品の年代別カタログ。末尾には関係者のインタビューや年表も。封印された理由は様々で、特に深い考察や強い主張はなし。あくまでもカタログとして見るべき本。
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佐藤秀峰, 漫画貧乏

著者が漫画 on Webを立ち上げるまでの過程を綴ったもの。冒頭には一時期話題になった著者の自己紹介漫画も収録。ここまで喧嘩腰になる必要があるかはわからないが、リアルなお金の話は面白い。権利関係の考えなどは漫画家側の視点に偏りすぎてはいるが一理はある。
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小林弘人, 新世紀メディア論 新聞・雑誌が死ぬ前に

出版の未来を語った本。従来の新聞や雑誌に携わる人々を想定読者に置いているように見える。大筋は納得できるが、他の書籍や記事でも語られているような内容が多く、驚きは少ない。カタカナ語が非常に多いのでルー語を読んでいる気分になるのがやや難。
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ピエール・バイヤール(著), 大浦康介(訳), 読んでいない本について堂々と語る方法

本来は読んでいなければならないはずの本を読んでいないということを半ば自虐的ながらも肯定的に捉え、その上でその本について語るにはどうするべきかということを論じた本。そもそもある本を読んだとはどういうことなのかという根源的な問題まで改めて考えさせられる良書。おすすめ。
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鈴木みそ, ナナのリテラシー (1)

リテラシーというよりはコンサルタント的なお話。おそらく、"銭" の後継作品という位置付け。1巻目のテーマは出版。構造的に衰退産業となっている出版業、特にマンガの世界のリアルなお金事情を描いてしまうあたりはさすが鈴木みそ。どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのかを掴ませないところも見事。
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思緒雄二, 顔のない村

で発表後、社会思想社版のに収録されたものの、 創土社からされた際には削られてしまった不遇の作品がiOS Appとなっていた。基本的にはベタ移植で、App化で削れるような指示文もそのまま。BGMやSEもなし。ただし、シナリオは一部書き足され、画像も新たに書き下ろされている。無料で公開されているものの、一度に進めるパラグラフ数に限りがあり、制限を外すにはApp内での購入が必要。
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都築響一, だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ

書店ガイドと書評を合わせたような本。全編から一貫して本への愛が感じられる。書評はややサブカルチャー寄りのものや写真集が中心だが、普段それらをあまり読まない自分にも興味を惹かれるものが多い。