economics

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ケネス・S・ロゴフ(著), 村井章子(訳), 現金の呪い 紙幣をいつ廃止するか?

高額紙幣を廃止しレスキャッシュ (キャッシュレスではないことは再三言及されている) を実現することで、現金の犯罪利用を減らし、同時にマイナス金利などの金融政策が可能となるという主張。 平易な文章ながら専門的な議論もしっかりと押さえられており、データの裏付けも豊富。様々な公的調査を組み合わせる搦め手で現金がどのように利用されているかその実態をあぶり出しており、発行枚数と各家庭の実際の現金所有との大きなギャップから非合法な目的の現金利用を推定している。 高額紙幣の廃止によるレスキ...
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佐藤雅彦(原作), 菅俊一(原作), 高橋秀明(画), 行動経済学まんが ヘンテコノミクス

流行の経済学をまんが形式で。 ヘタウマ系のユルめの印象だが、内容はまとも。行動経済学を体系立てて学べるような本ではないが、人に話したくなるような小ネタを探している向きにはおすすめできる。
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三木義一, 日本の税金 新版

直球のタイトルだが、その看板に偽りなし。 日本の税金がどのような仕組みで成り立っているかが高い視点から解説されており、小手先の節税本などとは一線を画している。即座に役に立つ本ではないが、税の基本を学ぶ教科書としておすすめできる。
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池田信夫, 希望を捨てる勇気 停滞と成長の経済学

池田信夫の書き下ろし。当時のブログの内容をより深掘りしたような作品。 日本経済の長期停滞の原因である正社員の既得権益がもたらす格差と財政政策の失敗に関する分析が中心で、トンデモ度は低め。全体的にネガティブ基調が過ぎる様に感じるが、出版時点の2009年の空気に引きずられている部分もあるのかもしれない。
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ポール・コリアー(著), 甘糟智子(訳), 民主主義がアフリカ経済を殺す

最底辺の10億人の続編的内容。 最底辺国の独裁者の視点に立って民主主義を取り入れる際のオプションを検討する思考実験は、見事に彼らの行動原理をあぶり出しており興味深い。 翻訳はあまり読みやすいものではなく、特に抽象度の高い部分はかなり苦しい。
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ジョン・マクミラン(著), 瀧澤弘和(訳), 木村友二(訳), 市場を創る バザールからネット取引まで

市場の設計に関する経済学の観点からの論考。啓蒙書のためか、数式はほぼなし。 著者の専門であるゲーム理論やオークション理論に重みがある印象。世界の様々な市場を題材に扱っており、机上の空論となっていないのが良い。
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ルイズ・アームストロング(文), ビル・バッソ(絵), 佐和隆光(訳), レモンをお金にかえる法

お金のリテラシー絵本。 経済というよりは経営の基礎ではあるが、子供のためのお金のしくみ入門書としてみると良い出来。
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ピーター・T・リーソン(著), 山形浩生(訳), 海賊の経済学 見えざるフックの秘密

海賊と経済学というまったく異質な組み合わせだが、これが新しい視点を供給してくれる。 一見矛盾しているように見える海賊の行動の数々が経済学のフィルタを通すと実は合理的であったというのは、まさに経済学という学問の勝利といえる。実に興味深い題材を扱っていることもあり、経済の入門書として見ても良書。 好き嫌いが分かれそうな山形浩生訳ではあるが、本書にはぴったりくるように感じる。
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エリック・ブリニョルフソン(著), アンドリュー・マカフィー(著), 村井章子(訳), 機械との競争

ボリュームは軽めだが内容は濃い。テクノロジー失業がスキルの低い労働者ではなく中間的なスキルの労働者を直撃するというモラベックのパラドックスが発生するメカニズムから、その解決策の提案までを扱う。 装丁はやや凝り過ぎか。紙質が厚い上にページ表記が独特なため、ページを飛ばしてしまったかと戸惑うことが何度もあった。
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後田亨, 大江英樹, 生命保険の嘘 「安心料」はまやかしだ

いわゆる民間生命保険の不要論。著者は日本生命出身で、乗り合い保険代理店を経て現在は社団法人の代表。 この種の生命保険不要論に興味のある人ならば新しい情報は少ないかもしれない。それでも本としてはよくまとまっているので、一冊目には悪くない。少々強引なところがありながらも行動経済学的な解説で味付けしてあるのが類書との差別化ポイントか。