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宮本弘之, お金持ちのお金はなぜなくならないの?

野村総研での金融コンサルの仕事を通じて出会ったお金持ちたちの生態を描いた一冊。残念ながらお金持ちになる方法はスコープ外だが、彼らの金融資産ポートフォリオや財産への考え方は実に興味深い。
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岡崎昂裕, 自己破産の現場

著者は長年信販会社で債権管理・回収に携わっていた方。クレジットの法的な問題や社会的な位置付けについては専門外と言うこともあり踏み込みが浅いが、債権管理の立場から見た実エピソードの数々は実に興味深い。
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きたみりゅうじ, フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

税務申告本なのだが、面倒な理論や建前は飛ばしてどうすれば得か損かだけに絞っているのが好感が持てる。また、どこは手を抜いて良いところかが明確になっているのもポイント。表題はフリーランス向けになっているが、確定申告が必要な人なら誰でも読む価値がある本。
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門倉貴史, 雇用クライシス取材班, リストラされた100人 貧困の証言

派遣切りに遭った人々、内定を取り消された学生、リストラされた正社員、ワーキングプア、貧困ビジネス等の近年話題となっている事例のケーススタディが中心。週刊誌的な興味はそそられるが、それ以上の深い考察は感じられない。
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青砥恭, ドキュメント高校中退 いま、貧困がうまれる場所

著者は公立高校の教諭出身の研究者であり、豊富なフィールドワークによる実例が並べられている。あまりにリアルな高校中退の実例の数々は、読むだけで虚しさがこみ上げてくる。高校中退によって生じる貧困は、決して本人だけの問題ではなく環境要因が大きいことが良くわかる。家庭の事情により基本的な生活習慣を確立することができず、小学校低学年で勉強について行けなくなり、そこからの復帰手段がないままずるずると高校中退となる多くのケースを見せられると、著者の主張するサポート体制の強化や高校の義務教育...
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青木雄二(原作), 佐藤量(作画), 桃源郷の人々 淀川河川敷のユートピア

青木雄二の後期の小説をマンガ化したもの。他の作品と比べると設定がややマンガ的に過ぎるが、ディティールの書き込みがそれを感じさせない。資本主義社会の否定など、青木雄二の思想が強く出ているのも見逃せないところ。
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茨木保, がんばれ! 猫山先生 (1)

ほのぼの医療四コマの振りをした業界暴露マンガ。著者本人が医師でもあるので、実話としか思えないようなネタもちらほらと。上辺の格好良いところだけを切り抜いたような医療マンガとは全く異なるリアルな医師の生態が素晴らしい。
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アーロン・ブラウン(著), 櫻井祐子(訳), ギャンブルトレーダー ポーカーで分かる相場と金融の心理学

短期投資はゼロサムゲームであり、その本質はギャンブル (本書ではテキサス・ホールデムを中心に説明しているが、多くのギャンブル・ゲームに当てはまるだろう) であるという身も蓋もない本だが、きちんと本質を捉えている。単純なゲーム理論に傾倒してしまうとつい忘れがちになる、ゲーム理論の限界の先にプレイヤーの心理があるという事実を思い出させてくれる。第9章でエセル・リドルによる1921年の経験的ポーカー研究が紹介されているが、これがズバリと自分のことを言い当てられているようで衝撃を受け...
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マイケル・ルイス, ライアーズ・ポーカー

マネー・ボールのマイケル・ルイスのデビュー作。著者の実体験を元にした80年代のソロモンの内情暴露本で、決して投資の役に立つような本ではない。読み物としては上々。
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岩瀬大輔, 生命保険のカラクリ

著者はライフネット生命の立ち上げに携わった方。後半の "生命保険の選び方" などはあまり新しい内容ではない。しかし、前半の生命保険業界の構造や収益構造の話は、ライフネット生命立ち上げの理由が透けて見えてくるようで面白い。