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湯浅誠, 日向咲嗣, 吉田猫次郎, 春日部蒼, 李尚昭, しんぐるまざあず・ふぉーらむ, 働けません。「働けません。」6つの “奥の手”

追い込まれて生活に困窮した際の対処方法をまとめた本。生活保護の受け方、失業保険の貰い方、住宅ローンの処理方法、法律補助の受け方、生活福祉資金の借り方など、いずれも教科書的な知識ではなく極めて実践的な内容。 いざという時もいくらでも対処方針があると知っておくことは精神衛生上、非常に良い。この種の方法は広まるにつれ対策が打たれるものも多そうだが、考え方の肝となる部分は古くならない。
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内藤忍, こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義

いわゆる普通のマネーリテラシ本。既にこの手の類書を複数読んでいる人が新たに得られる情報はあまりないが、トンデモ度は低いので一冊目としてはおすすめ。
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石川貴康, サラリーマンは自宅を買うな ゼロ年世代の「自宅を買わない生き方」

前半部分は一般的な持ち家のリスクを述べたものでまともな内容。頷ける部分も多い。 問題は後半の不動産投資を薦めている部分。本質的には持ち家と不動産投資は同じものであり賃借料を自分が払うか他人が払うかの違いだけだが、その一方を貶しながらもう一方を持ち上げているのは腑に落ちない。また前半部分との不整合に目を瞑っても、不動産投資のリスクや他の投資方法との比較が欠けており説得力がない。
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竹川美奈子, 投資信託にだまされるな! 本当に正しい投信の使い方

比較的まっとうな資産運用本。 読みやすいしトンデモ度も低いが、それ以上ではない。独自の視点がほとんど無いため、資産運用本をある程度読んでいる人が読んでも新たに得られる情報は少ない。
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宮本弘之, お金持ちのお金はなぜなくならないの?

野村総研での金融コンサルの仕事を通じて出会ったお金持ちたちの生態を描いた一冊。 残念ながらお金持ちになる方法はスコープ外だが、彼らの金融資産ポートフォリオや財産への考え方は実に興味深い。
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岡崎昂裕, 自己破産の現場

著者は長年信販会社で債権管理・回収に携わっていた方。 クレジットの法的な問題や社会的な位置付けについては専門外と言うこともあり踏み込みが浅いが、債権管理の立場から見た実エピソードの数々は実に興味深い。
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きたみりゅうじ, フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

税務申告本なのだが、面倒な理論や建前は飛ばしてどうすれば得か損かだけに絞っているのが好感が持てる。また、どこは手を抜いて良いところかが明確になっているのもポイント。 表題はフリーランス向けになっているが、確定申告が必要な人なら誰でも読む価値がある本。
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門倉貴史, 雇用クライシス取材班, リストラされた100人 貧困の証言

派遣切りに遭った人々、内定を取り消された学生、リストラされた正社員、ワーキングプア、貧困ビジネス等の近年話題となっている事例のケーススタディが中心。週刊誌的な興味はそそられるが、それ以上の深い考察は感じられない。
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青砥恭, ドキュメント高校中退 いま、貧困がうまれる場所

著者は公立高校の教諭出身の研究者であり、豊富なフィールドワークによる実例が並べられている。あまりにリアルな高校中退の実例の数々は、読むだけで虚しさがこみ上げてくる。 高校中退によって生じる貧困は、決して本人だけの問題ではなく環境要因が大きいことが良くわかる。家庭の事情により基本的な生活習慣を確立することができず、小学校低学年で勉強について行けなくなり、そこからの復帰手段がないままずるずると高校中退となる多くのケースを見せられると、著者の主張するサポート体制の強化や高校の義務教...
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青木雄二(原作), 佐藤量(作画), 桃源郷の人々 淀川河川敷のユートピア

青木雄二の後期の小説をマンガ化したもの。 他の作品と比べると設定がややマンガ的に過ぎるが、ディティールの書き込みがそれを感じさせない。 資本主義社会の否定など、青木雄二の思想が強く出ているのも見逃せないところ。