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村上宣寛, 「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た

まずは、定番の血液型人間学批判とバーナム効果のお話から。この辺はあまり新しいことではないが、わざわざこれを載せているのは、多くの心理テストが血液型人間学と同じレベルだということを示していると思われる。 その槍玉に挙げられる心理テストは、ロールシャッハテスト、YG (矢田部ギルフォード性格検査) 、内田クレペリン検査といった定評あるもの。 YGは、自分も就職活動中に受けたことがあり、その批判は特に興味深い。YGについてはデータの捏造、根拠のない分類、再標準化を行わない質問項目の...
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スティーヴン・ウェッブ(著), 松浦俊輔(翻訳), 広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由

なぜいまだに宇宙人が見つからないのか? 実際ここに地球人がいるのだから、他に宇宙人がいてもいいはずなのに、という古典的な問題に対する仮説を大真面目にまとめた本です。 50の仮説は、実は来ている存在するがまだ連絡がない存在しないに大きく分類されます。1番はちょっとトンデモな風味ですが読みものとしてはおもしろく、2番と3番は現実的な回答、といったところでしょうか。全体的に、宇宙科学一般やSFについてがっちりした知識がないとかなりツラい本ですが、そこを越えられる方には絶対のお勧めで...
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チャールズ・エリス, 敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか

"敗者のゲーム" という言葉が、この本の内容を的確に表している。本書では "敗者のゲーム" を説明するのにテニスを例に挙げている。つまり、プロのテニスはミスを犯さずどちらかが強力なショットを打ち込むことで勝ちをつかみ取る "勝者のゲーム" であるのに対し、アマチュアのテニスは自らのミスによる失点が多い方が敗北する "敗者のゲーム" である。 資産運用 (マネーゲーム) は最近の数十年で "勝者のゲーム" から "敗者のゲーム" へと変貌を遂げている。これは、多くのプロフェッシ...
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ジャレド・ダイアモンド(著), 倉骨彰(訳), 銃・病原菌・鉄 (上巻, 下巻)

なぜ、欧州の文明が現在の世界を席巻するに至ったのか。なぜその役割はアフリカ大陸やアメリカ大陸、オーストラリア大陸ではなく、ユーラシア大陸の欧州に与えられたのか。この疑問を、各大陸の環境という側面から鮮やかに解き明かす。 最近のノンフィクションの中では一番の当たりかも。お勧めです。
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デーヴ グロスマン(著), 安原 和見(訳), 戦争における「人殺し」の心理学

戦場において人間を殺すということはどういうことなのか、元米国陸軍中佐である筆者が実体験と膨大なインタビューを踏まえてまとめた本。圧倒的な本物の迫力がここにある。米国ウェスト・ポイント陸軍士官学校などでテキストとして使用されているというのも頷ける。 本来、人間は同類を殺すことに強烈な抵抗感がある第二次世界大戦では15?20%の兵士しか発砲していなかった。残りはただ発砲する振りををしていただけベトナム戦争では徹底的な脱感作と条件付けのプロセスにより、発砲率が90%以上に改善された...
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橘玲, 雨の降る日曜は幸福について考えよう

今までの橘氏の他の著書のまとめ本です。 橘氏の得意とする資産運用・人生設計といった内容を主に、相変わらず身も蓋もない内容が淡々と語られます。たとえば生命保険や医療、年金、教育、不動産といった、人生で避けて通ることのできない項目について、残酷であることを厭わずに真実だけを淡々と述べていきます。この手の本にありがちな、甘い嘘、美しい嘘は強い意志をもって避けているようにもみえます。 自分で考え、自分で自分の人生を設計するという気が少しでもある人は決して読んで損することのない本です。
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小室直樹, 日本人のためのイスラム原論

一時期のイスラム本ブームが落ち着いて、駄本はだいぶ淘汰されたようなので読み始めてます。まじめに読めば読むほど、自分がいかにイスラム世界について知らなかったかを思い知らされます。一度は世界をとった文化圏なのに。なお、同じ小室先生によるなども合わせて読むとより理解しやすいかと思います。
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長尾直樹監督, 鉄塔武蔵野線

やっぱり時代は鉄です。付属の鉄塔冒険マップを持って、聖地巡りをしなきゃ。