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佐藤洋一, BASIC800で書ける! 理系英文 使うのはいま覚えている単語のみ! だれでも学べるカンタン英語

表題にもなっているBASIC800は制限言語の一種だが、無理に語彙を制限する種類のものではなく、3Cs (Clear, Correct, Concise) を満たすためならば専門用語の柔軟な使用を認めるなど極めて実用的な内容。英作文の教本としてみた場合、原文解釈や和文和訳 (和文を英訳する前段階として、英訳しやすい和文に書きなおすこと) に重点を置いているのが特徴的。普段英訳する際にも同じ段階を踏んでいたが、それを自覚させてくれた効用は大きい。説明も平易で非常に読みやすい。特...
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本橋信也(著), 河野達也(著), 鶴見利章(著), 太田洋(監修), NOSQLの基礎知識 ビッグデータを活かすデータベース技術

表題どおりのNOSQLの入門書。NOSQLの思想の背景にあるCAP定理やACID, BASEといった基礎概念からしっかり学べる。主要なNOSQL製品の分類や性の比較まできちんとまとまっており、これ一冊でNOSQLの学習から導入までをしっかりサポートしてくれる。おすすめ。
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橘玲, 不愉快なことには理由がある

週刊プレイボーイの連載 "そ、そうだったのか!? 真実のニッポン" をまとめたもの。今回は経済系のトピックよりも政治や社会のネタが多め。進化心理学や脳科学のあたりはまだ受け売り感が残るが、読み物としては面白い。
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川島博之, 「食料自給率」の罠 輸出が日本の農業を強くする

「食糧危機」をあおってはいけない以来の、世界的な食料余りのスタンスは全く変わらず。今作ではそれをさらに発展させ、日本の農業を産業して成り立たせるための方策を論じる。端的に言ってカロリーベースの食料自給率を上げるということは、儲からない穀物の生産を無理に押し上げることであり、採算を取ることは難しい。無理に辻褄を合わせるのならば農地の大規模化を推し進めるしかないが、これはこれで政治的な理由により難しい。となると、現実的に可能なのはオランダ型の農業となる。オランダは穀物自給率 (カ...
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ASIOS, 謎解き 古代文明

今作は少し毛色を変えて、超古代文明とオーパーツが中心。構成は従来のシリーズと同じだが、真実が良くわかっていないものも多い分野なので、少々歯切れが悪い箇所がある。読み物の一つとして楽しまれたい。
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中田亨, 「事務ミス」をナメるな!

ヒューマンエラーの専門家による事務ミスの本。ヒューマンエラーの本というと生産現場に関するものが多く、事務処理に焦点を当てたものはやや珍しい。理論とケーススタディの双方をきちんとカバーしており、実に理解しやすい。特にケーススタディの方は多くの企業で見られる様なケースを適切に抽出してあり、すとんと腹落ちする。おすすめ。
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ASIOS, 謎解き 超常現象 III

シリーズ3冊目となったが、さすがに有名所の超常現象は前2冊でやり尽くした感があり、小粒なネタが多い印象。超常現象マニア以外には知られていない様なものも多いが、読み物としては水準以上。
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塚本宇兵, 指紋は語る “指紋の神様” と呼ばれた男の事件簿

警視庁鑑識研究所長まで務めた著者による指紋の入門書。指紋の基礎から説明されており、一切の予備知識無しで読める。また、さすがに現場の大ベテランだけあり、現場での採取方法や指紋を用いた推理の実例などの情報が非常に豊富。ヘタな推理小説よりもよっぽど面白く読める。少し不満だったのは、誤認逮捕を誘発しかねない第二種過誤の可能性に関する詰めが甘いところか。特徴点の多さを拠り所に説明しているが、各特徴点が独立であることを暗黙の前提としているのはいただけない。また確率の概算を行う際に、特定の...
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エドアルド・ポーター(著), 月沢李歌子(訳), 「生き方」の値段 なぜあなたは合理的に選択できないのか?

行動経済学の本だが、研究者ではなくジャーナリストがまとめた本ということもあり非常に読みやすい。原題の "The Price of Everything" が示す通り、扱われているテーマは実に幅広い。生命や幸福、信仰など、行動経済学の守備範囲の広さを感じさせてくれる一冊。
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畑村洋太郎, 続 直観でわかる数学

直観でわかる数学の続編。今回は数学と言うよりは算数と言ったほうが近いか。相変わらずの (数学者ではない) 工学者目線で、共感できる部分が多い。図版が多めでついさらりと読み流してしまいそうになるが、よくよく自分の頭で考えながら読むと得られる気付きが多い。