遠藤秀紀, 人体 失敗の進化史
ヒトがその短い歴史の中でどのように無茶な進化を重ねてきたのかを解剖学的観点から。猿人からホモ・サピエンスまで、わずか4〜500万年で急激に進化した結果、ヒトの身体は多くの問題を抱えている。特に無理矢理に二足歩行となった代償は大きい。たとえば、血液を脳に押し上げるために高い血圧を必要とし、それでも少しの手違いで貧血を起こしてしまう。一方で、下肢の血液を心臓に戻すことも難しく、冷え性やむくみに慢性的に悩まされている。さらに深刻な症状としては、ヒトに際だって多い椎間板ヘルニアや鼠径...