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郷田マモラ, モリのアサガオ 新人刑務官と或る死刑囚の物語 (5) (6) (7)

7巻の完結編までまとめ読み。刑務官である主人公の視点で死刑制度の意味を考えるという構成は良いのだが、最後は感情的な結論に至ってしまっていたり、本来は死刑制度とは切り離して考えるべき冤罪問題をないまぜにしてしまったりしているのがやや残念。
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William J. Brown(著), Raphael C. Malveau(著), Hays W. “Skip” McCormick III(著), Thomas J. Mowbray(著), 岩谷宏(訳), 新装版 アンチパターン ソフトウェア危篤患者の救出

成功例を並べるデザインパターンに対し、こちらは失敗例を並べたもの。一歩間違えば "ソフトウェア開発あるある" になりかねないような企画だが、そこはオブジェクト指向開発の専門家だけあり、地味ながらきちんとした処方箋が提供されているのが見事。なお、訳者は岩谷宏であるが、今回は余計な訳注が少ないのでそこまでひどくない。
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いけだたかし, 34歳無職さん (1)

今風の日常マンガ。無職と言っても身軽な人間の自主的な無職なのでいわゆるリストラ的な悲壮さも無く、かといって将来に全く不安のない資産家というわけでも無く、というバランスが絶妙。
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宮崎市定, 科挙 中国の試験地獄

様々な伝説がひとり歩きしている感のある科挙試験の実態を詳細に解説したもの。特に末期の清朝の制度を中心に解説しているせいもあるが、科挙が恐ろしく複雑な制度であることがよくわかる。中でも特色的なのは、人間を信用しないがために生まれた不正防止の方法の数々。何重にも重ねられたチェック体制がいたずらに試験を肥大化させている原因の一つである。また、科挙にまつわる道教思想に基づいたエピソードの数々も現代とはかけ離れた感覚があり面白い。著者独自の考察としては、国家として教育に投資せず民間任せ...
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福地誠, 麻雀 勝ち組の選択

ネット麻雀・ロジカル戦術入門をコンビニ用に仕立て直したもの。問題はほとんど変わらないが、一部根拠となるデータが補足されている点は少し改善。前著を読んでいる人は改めて買う必要はないが、今時の戦術書としてはだいぶまともな部類なので、未読なら買って損はない。
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鬼頭莫宏, のりりん (4)

だんだん自転車蘊蓄マンガに近づいてきた。ストーリーの進展がゆるやかなので自転車に興味が無いと辛いかもしれないが、そこさえ超えられる人ならば文句なしに楽しめる。
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わかりやすい 投資信託ガイド 2012年度版

社団法人投資信託協会の発行しているわかりやすい 投資信託ガイド 2012年度版を読んでみたが、これが意外に良い出来。投資信託の基礎がしっかりまとまっているのに加え、(会員の大半が運用会社であるにも関わらず) 比較的中立な内容なのが嬉しい所。記事か広告かわからないようなマネー雑誌を読むくらいならば、このガイドを読んだほうがよほどためになるように思う。しかもこちらは無料で送ってもらえる。また、姉妹品のREITガイドも同様に良い出来なので、併せて読みたいところ。
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曽野綾子, 貧困の光景

海外邦人宣教者活動援助後援会 (JOMAS) を通じて アフリカへの支援活動を行なっている曽野氏が描くアフリカの貧困の現実。今でこそアフリカの貧困問題は支援の不足と言うよりも政治体制の問題が大きいことが知られるようになってきたが (本書の多くを占めているのも、支援をいかに末端まで届けるかという苦労である) 、現場へ目を向けてみるとその実態はさらに複雑な問題が山積みであることがわかる。日本人とは根本的に異なる考え方をする人々、機能していない社会インフラ、公金の私物化の因習、根強...
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ミスター 高橋, 流血の魔術 最強の演技

長年新日本プロレスのレフリーやマッチメーカーを務めた著者による内情暴露本。何分時効となっているような時代の話が大半であり、本人の記憶頼りで裏が取れない内容や他の関係者から異論が出ている内容も多いが、内幕の一人の視点と割り切ってみれば面白い。
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ゲアリー・マーカス(著), 鍛原多惠子(訳), 脳はあり合わせの材料から生まれた それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ

進化論では生物の進化は漸進的なものであり、手元の材料にその場凌ぎで新たな機能を継ぎ足し続けた (いわゆるKludge) 結果が現在の姿であるとされる。もちろん、人間の脳も例外ではなく、最初から完成形を想定して設計されていたのならばあり得ないような構造が多数見られる。本書は、その様な非合理な脳の設計を進化心理学の立場から解き明かしたもの。人間の記憶、選択、言語、快楽など、ありとあらゆる機能が、進化の歴史的経緯によって大きく歪められていることがよく分かる。また、巻末にはその脳とい...