book

book

東谷暁, エコノミストは信用できるか

いつも各種マスコミで好き勝手な事を言っている (かのように見える) エコノミスト達。その過去の発言を検証している。ここで興味深いのは、過去の予想が的中したか否かのみではなく、長期に渡り発言の一貫性が保たれているかの検証に重きを置いていること。下手をすると細かい揚げ足取りになりそうな企画だが、概ねきちんと俯瞰されているのがすばらしい。巻末には40名の有名エコノミストの通信簿も付属している。この発言の一貫性チェックは、エコノミストに限らずに他の業界でやっても面白いのではないかと思...
book

広瀬一郎, スポーツマンシップを考える

"スポーツマンシップ" とはよく聞く言葉ですが、その意味はというとなかなか知られていないようです。などと偉そうに書いてますが、恥ずかしながら私も10年以上スポーツをたしなんできたにも関わらず今までその意味を真剣に考えたことがなく、漠然とフェアプレーのようなものだと思いこんでいました。本来はスポーツマンシップとはフェアプレーのみならず、もう少しメタな概念、すなわち "スポーツを通じて身につける人格的な総合力" のことです。この書籍はその少々抽象的なスポーツマンシップの概念を、多...
book

谷岡一郎, こうすれば犯罪は防げる 環境犯罪学入門

ギャンブル関連の書籍でも有名な谷岡一郎先生による環境犯罪学の入門書です。環境犯罪学 (Environmental Criminology) とは、環境を改善することで犯罪の発生を未然に防ぐ学問です。ここで環境とは、町並みや、店のレイアウト、住宅の庭や塀の作りなどの広い範囲を指します。最近ニューヨークの治安回復で話題になったブロークンウィンドウ理論もその成果の一つです。本書はこれらの環境犯罪学の考え方が豊富な実例と共に示されており、興味深く読めます。また、環境犯罪学の理論や変遷...
book

麻将花■大全 (■は木偏に羊)

とか言っていたら、第一弾が届きました。11冊注文した内の2冊が先行して届いたのですが、1冊は麻将に関するコラム集のようなものらしく図版一切無しで、fukumotoの語学力で読めるものではなさそうなのでちょっと後回しにしておきます (このまま死蔵される可能性大) 。ここで紹介するのはもう1冊の "麻将花■大全" という麻将手役集です。大全という名前は伊達ではなく、760種類(!) の手役が紹介されています。さすがにそれだけの数になると水増しのようなものも含まれていますが (全帯...
book

小室直樹, 大越俊夫, 人をつくる教育 国をつくる教育

小室先生と大越先生の共著となっていますが、実質的には小室先生が講義をするスタイルですすめられます。小室ファンにも安心です :-)まずは、現在の日本の教育の現状が小室先生の他の著作でも頻繁に登場するアノミー (無連帯) の概念を使って説明され、学校教育で行動規範を教えない点が最大の問題であることを看破しています。その後、多くの偉人を生んだ吉田松陰の教育を例に挙げ、日本の教育の在り方について語られています。他の小室本と同様、教育という難解なテーマにもかかわらず平易な文章で語られた...
book

野口悠紀雄, 「超」税金学

の続編です。前作同様、節税ノウハウ本ではなく、税金制度を考える本です。とはいえ、啓蒙書的な位置付けですので、税の専門家でなくとも十分に読める内容になっています。特に間接税 (消費税) と固定資産税に重点がおかれており、現状の税制の制度上の不備から改革提案までが述べられています。そのあたりに興味のある向きにはお勧めです。
book

堀内修, はじめてのオペラ

「オペラは麻薬だ!」と主張する堀内修さんによるオペラへの誘いです。お勧めなのは、歌劇場での楽しみ方や、観劇のマナー、その他のオペラ関連の雑学部分。豊富な話題で楽しめます。オペラ史にも一章を割いて触れていますが、紙幅の関係からかオペラ史全体を駆け足で巡る内容になっており、少々散漫な印象を受けます。この本の想定している読者層であるオペラ初心者にとっては少々理解しにくいのではないでしょうか。この部分についてはある程度予備知識が必要かと思われます。
book

オーレン・ロース, 億万長者だけが知っている雨の日の傘の借り方

タイトルを一見すると借金をするための方法の本にも読めますがそんなことはなく、リスクヘッジのための海外個人投資を薦める本です。本書では本当のリスクヘッジとして、最終的に日本国と運命を共にすることになってしまう日本国内の銀行への外貨預金ではなく、日本国から完全に独立した海外のオフショアバンクの利用を薦めます。ただし、実際にオフショアバンクの口座開設手続き等を手取り足取り教えてくれるノウハウ本ではないので、それらをお望みの方は別の本を選んだ方が良いかと思います。この本が扱うのはあく...
book

先崎学, 小博打のススメ

博打打ちとして有名な棋士、先崎学八段によるです。まえがきからして 「悪法も法なり」とはいうが、今の日本において賭博を禁じた法律ほどの悪法はないだろう と絶好調です。その言葉通り、賭博について堂々とポジティブに語っています。ステキです。扱っている種目は、麻雀からサイコロ、カード、手本引きまで幅広く、それぞれについて簡単なルール解説と各種目の醍醐味が語られています。
comic

片山まさゆき, 運王 (1)

いつの間にか単行本になっていたので購入。片チンお得意の "最初はギャグマンガだけど気が付いたら本格闘牌マンガ" のパターンが予想されます。でも、このパターンって、初期のギャグの頃が一番おもしろかったりするんだよね (例: "まんちょくスナイパーとどめ" もドラ息子とかやってる頃がピークだったと思う) 。そんなわけで今回も出禁ブラザーズとか御影石賢あたりがピークとみたがどうか?