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城田真琴, 今さら聞けないクラウドの常識・非常識

著者は野村総研の研究員のため、技術の詳細ではなくビジネス側から俯瞰した内容。 2009年の出版のため細かい部分では少し古くなっている内容もあるが、大筋は今でもそれほど変わっているものではない。クラウドをこれから利用することを考えている人が一冊目に読むのならばお勧めできる。
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田中淳夫, 田舎で起業!

主に都会から田舎に移り住んで起業した成功例をまとめたもの。 本当は成功例よりも失敗例の方に学ぶことが多い気もするが、こちらはあまり具体的な実例ではなく一般論が中心。色々と仕方がないのだろうけど。
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牧野武文, Googleの正体

Googleの技術やサービスではなく、その背後にある行動原理について考えた本。 特にGoogleの経営陣にインタビューを行ったわけでもなく、公開情報からの類推に過ぎないが、その「広告収入を増やすためにひたすら事業拡大を目指している」という推理は大きくは外していない様に見える。
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石川憲二, 自然エネルギーの可能性と限界 風力・太陽光発電の実力と現実解

自然エネルギーのうち、風力、太陽光、水力、地熱の実態を探った本。著者は科学者ではなく科学ジャーナリスト。3.11の前年に出版された本のため、過剰な原子力バイアスはない。 出力規模や安定性の観点から見ると風力や太陽光がそれほど効率的でないという結論は概ね同意できるが、コストに関する議論がほとんど行われていないのが片手落ち。また、これらの自然エネルギーの議論をする際には欠かせない蓄電池や送電を端折っているのも物足りない。とはいえ、語り口は平易でトンデモ度も低いので、一冊目に読む入...
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千葉ロッテマリーンズ変革の300日 プロ野球を変えたキーマンの証言

今シーズンは藤岡貴裕の獲得以外に明るいニュースが無かったので、過去の栄光に浸ってみる。 2006年の春に出版された御祝儀本のため、第2次ボビー政権2年目の一番良いところだけを扱っている。基本的に良いことしか書かれていないので、瀬戸山代表までまるで善人のように見えてくる。 本当は2006年シーズン後の凋落の原因の方が面白そうではあるが、さすがに出版してくれるところはなさそうか。
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鈴村裕輔, メジャーリーガーが使いきれないほどの給料をもらえるのはなぜか?

今風の表題だが、この種の本の例に漏れず内容はもう少し広め。 メジャーリーグの歴史的な成り立ちに始まり、いかにして数々の危機を乗り越え拡大し、現在の繁栄を築いたかをまとめたもの。もちろん、単行本一冊では表面をなぞるのが精一杯だが、メジャーリーグがどのような戦略で動いているかを知る一冊目としては十分。
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鈴木貴博, 会社のデスノート トヨタ、JAL、ヨーカ堂が、なぜ?

文章は読みやすいし、コンサルタントらしい説得力もある。ただし、基本的に過去の事例を後出しで分析している本なので、あまり将来予測を期待して読む本ではない。自動車業界については多少の予測があり、現在のところは予測に近い回復基調にあるが、結果が出るのはもう少し先か。 価格弾力性や所得弾力性に着目した分析は視点としては面白い。特に、短期と長期で弾力性が異なり、また業種ごとに傾向が違うという点は指摘されて初めて気付くもの。 表題はキャッチーではあるが、無理にデスノートと結びつける必然性...
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子安大輔, ラー油とハイボール 時代の空気は「食」でつかむ

外食系コンサル本。 事例分析が中心なのは良いのだが、分析が後付け的なものばかり。さらりと目を通す読み物としては及第点。
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遠藤秀紀, ニワトリ 愛を独り占めにした鳥

ニワトリの産業的な位置付けを枕に、セキショクヤケイに始まるそのルーツを追う。 雑学的な意味で面白いのが、意外と知られていない現代のニワトリの産業的価値。経済的な競争力を得られる様に改良され尽くした採卵鶏は生後160日後から年間300個のペースで産卵し、肉用鶏に至っては生後わずか50日で3kg台半ばに達する。 しかしながら、そのニワトリの原種のセキショクヤケイの性質は到底家禽に適したものではなく、どの様な動機で家禽化が進められたかが本書の興味となる。その推論過程は知的好奇心をそ...
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ちきりん, ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法

Chikirinの日記に大幅に加筆修正して単行本化したもの。 "ゆるく" と言いながらその実きちんとしたポリシーが感じられるのは読んでいて気分がいい。