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奥村佳史, 法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる

一般人向けの法人税本。法理論などには触れずに、実務視点なので素人にもわかりやすい。 読み終わって読後感として強く残るのは、税知識を得たお得感よりも、異常なまでの面倒臭さと税務署の裁量の大きさ (本書は税理士側の言い分なので、税務署側には別の言い分があるのだろうけれど) 。この種の仕事はとても自分には務まりそうにない。
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郷田マモラ, サマヨイザクラ 裁判員制度の光と闇 (上) (下)

タイムリーな裁判員マンガ。 欲張って色々と詰め込みすぎている感はあるが、裁判員制度の闇という主題がしっかりしているため、一気に読めてしまう。
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橘玲, 貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する

橘氏の新刊は、サラリーマン法人 (本書ではマイクロ法人と呼んでいる) がテーマ。 法人という不思議な仕組みを利用することで税コストを抑えようという趣旨で、類書で既に述べられていることが多い。ただ、橘氏らしい文章は健在なのでファンなら買いだろう。
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小島克典, プロ野球2.0

小島克典氏が立命館大学経営学部で行ったスポーツビジネスの講義をまとめたもの。 レッドソックスCEO ラリー・ルキーノ、スポーツエージェント 団野村、スポーツ弁護士 水戸重之、スポーツ記者、球団のマーケティング担当者、球団経営者など、プロスポーツ、特にプロ野球に携わる第一線の人達を招いてのインタビューは実に実戦的な内容。 中でもプロ野球界の構造的な問題を抉ってくれるスポーツ弁護士 水戸重之のインタビューが面白い。世界の様々なプロスポーツリーグの成り立ちや金銭の流れと見比べると、...
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平塚俊樹, Lawより証拠

証拠調査士 (エビデンサー) を自称する著者による、過去の案件とその解決手順の紹介。 全ての案件で一貫して語られるのは、被害者自身が動かなければ何も解決しないということ。裁判などの法律的な手続きはあくまでも集められた証拠に基づいた処理を行うだけで、その証拠を集めるには被害者自身が労力をかけて動き回るしかないのだ。
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池田信夫, ハイエク 知識社会の自由主義

ハイエクの入門書。専門外の人間がいきなりハイエク全集を読むのはかなり厳しいのでありがたい。 今まではハイエクを行き過ぎた自由主義者であるいわゆるリバタリアンだという理解しかなかったが、それが生まれた時代背景と、その背後にある自由主義的な考えと保守主義的な考えとの双方がはじめて繋がった。 後半は池田信夫blogでも度々取り上げられている知的財産権や電波割当の問題に繋がる。このblogを読む人ならば本書も読んでおいた方が良いだろう。
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阿曽山大噴火, 裁判狂時代 喜劇の法廷★傍聴記

大川豊興業の阿曽山大噴火による裁判ウォッチングガイド。 裁判のことを全く知らない私のような読者にも、一から手取り足取り教えてくれる内容が嬉しい。文体も語りかけてくるようで、親しみがもてる。
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安間伸, ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇

マネー本の中でも特に税に重きを置いた本。税引き後リターンを最大化するための考え方がよくわかる。 いわゆる新証券税制の施行前の本なので、その部分はフォローする必要があるが、本質的なところは今も (おそらく今後も) 変わらない。いかに損益通算を効率的に行うかが肝。 投資をする人には間違いなくお勧めできる一冊。
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橘玲, マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで

まずはマネーロンダリングの実例であるカシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件の具体的な事例の解説。その資金の流れは複雑に入り組んでおり、理解するのに一苦労。 むしろマネーロンダリングの事例よりも面白いのが、マネーロンダリングに関連する各種のカラクリの解説。コルレス銀行・コレスポンデント口座、SWIFT、プライベートバンクの歴史、ハワラなどの解説はおすすめできる内容。
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牧野和夫, 2ちゃんねるで学ぶ著作権

2chの冠がついているものの、中身はまともな一冊。2ch発のAAやキャラクターを例題とした解説が実に分かりやすく、ネット上でよくある事例にも則しているように思える。 元アップルコンピュータ法務部長の牧野弁護士とひろゆき氏のかけあいも楽しい。ひろゆき氏はなんだかんだ言って頭のいい人だな、と思う。