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ミスター 高橋, 流血の魔術 最強の演技

長年新日本プロレスのレフリーやマッチメーカーを務めた著者による内情暴露本。 何分時効となっているような時代の話が大半であり、本人の記憶頼りで裏が取れない内容や他の関係者から異論が出ている内容も多いが、内幕の一人の視点と割り切ってみれば面白い。
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ジョン・ブレンカス(著), 矢羽野薫(訳), 世界記録はどこまで伸びるのか

スポーツファンならば誰でも気になる世界記録の上限 (perfection point) を探る試み。 対象となる種目は、帯にもなっている100メートル競走やマラソンから水泳、空中静止時間、ホームランの最長飛距離まで多岐にわたる。この視野の広さは、著者のESPNのエグゼクティブプロデューサーとしての経験からか。 予測方法は種目ごとに様々だが、世界記録の変遷に外挿して漸近線を求めるようなよくあるアプローチではなく、ボトムアップで積み上げていく思考が中心。例えば100メートル競走を...
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田嶋幸三, 「言語技術」が日本のサッカーを変える

世界レベルのサッカーを実現するには自分の考えを言葉にする表現力が必要との論。自分のプレーの意図、他のプレイヤーへの要求などを明確に説明できるプレイヤーとそうでないプレイヤーで成長が大きく異なるというのは、言われてみれば当たり前だが実践できている現場は少ない。 本書はJFA (日本サッカー協会) が、どのように選手やコーチを育成し、言語技術を伸ばしているかがJFAアカデミーやS級ライセンス講習の実例と共に語られる。サッカーを主対象にしているものの、サッカー以外のスポーツにも普遍...
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守能信次, スポーツルールの論理

スポーツのルール、特にルール完成後に輸入されたスポーツのルールには、なぜそのルールがあるのか分からないものも多い。本書の提案するスポーツルールの四分類はそんなルールを理解する助けになる。 四分類とは、フェアプレーやスポーツマンシップといった成文化されないマナーを示す条理的行動規範、限度を超えた身体接触などの成文化されたマナー違反を表す刑法的行動規範、野球の走者がどちら向きに走るかなどの単なる決め事に過ぎない行政法的行動規範、バスケットボールの24秒ルールなどのゲームの面白さを...
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谷口ジロー, 東京幻視行 谷口ジロー傑作短編集2

谷口ジローの1980年代の作品を中心に編集したもの。 この頃は自身の可能性を模索するためか、様々なジャンルに手を出していたこともあり、あまり統一感はない。ハードボイルド劇画、SF、スポーツなど、最近とはだいぶ作風が違うものも多いので、にわかファンが読むものでもない気がする。それでも、作品の所々に最近の作品の下敷きとなったと思える部分を探すのは楽しい。
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中村敏雄, メンバーチェンジの思想 ルールはなぜ変わるか

中村敏雄の著作には、いつも自分のスポーツに対する無知を気付かされる。いくら現行のルールに基づいた戦術の良し悪しや個々の選手の技能を論じたところで、そのスポーツの成立した背景やその背後にある文化を知らなければただ虚しいだけとなる。 本書はそのスポーツの歴史や思想に真っ向から切り込んだ論考をまとめたもの。現代の表面だけのスポーツジャーナリズムに満足できない方にはぜひ手に取っていただきたい。
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東芝ブレイブサンダース vs. 日立サンロッカーズ @ スカイアリーナ座間

近所でJBLの試合があったので、S原氏と観戦。bjリーグは何試合か観戦しているが、JBLの試合は初めて。 会場はあまり商売っ気がない。会場内の売店で飲み物を買おうと思ったら、「ここではペットボトルが\200ですが、1階の自販機なら\150ですよ」と言われるJBLの本拠地は今ひとつ良くわからない。芝浦や府中のイメージがある東芝の本拠地は川崎と横須賀。日立は茨城ではなく東京都。トヨタ自動車もなぜか府中bjリーグとはやはり雰囲気が違う。やや垢抜けないと感じるのはやはり実業団の延長の...
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中村敏雄, スポーツの見方を変える

スポーツの高度化ばかりに注力し大衆化が軽視されてきた日本の姿を皮切りに、近代スポーツの本質や体育との違いを論じる。 スポーツ文化を語る人は多々あり、Jリーグ立ち上げ後はスポーツと地域社会の関わりに踏み込んだ本も多いが、本書はそれらとはまた違った高度化と大衆化という対立軸を提供する。 最終章の、競泳を例に挙げたスポーツや体育のあり方は、近代スポーツの限界をはっきりと自覚させてくれる好例。様々な報道で取り上げられる競泳はまるで水泳の代表の様な顔をしているが、実は水泳の様々な要素の...
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クリケットワールドカップで、初めてクリケットを観た

お世話になっているインド人の教授から "most important event of the decade" というメールが来て何事かと思ったら、今夜はクリケットワールドカップ準決勝のインドvsパキスタン戦だから家でパブリックビューイングするぞ、とのこと。今まで仕事関係でこんなに熱いメールをもらったことがない。 クリケットは観たこと無いけどせっかくだから一緒に観てみるか、と思ってメールをよく見ると、こちらの時間で深夜02:00から翌朝10:00の開催 (現地時間では14:3...
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アントニオ猪木, 猪木詩集「馬鹿になれ」

実は元気が出ないときに繰り返し読んでいる一冊。 詩において表現技法云々はあくまで脇役であることを思い知らせてくれる素直で力強い詩の数々。写真と合わせて、猪木の格好良さがどこまでも伝わってくる。 猪木信者ではなくとも一度読んで欲しい。